日経BP社が運営する、働くママ&パパ向けの情報サイト「日経DUAL」は「共働き子育てしやすい企業ランキング2017」を発表。1位となった「SCSK」の人事グループ 副グループ長・小林良成氏が1日、「WOMAN EXPO TOKYO 2017 Winter」内で開かれたシンポジウムに登壇し、働きやすさの仕組みについて語った。
グランプリ企業「残業しなくても残業代を支給」
同ランキングは「女性の活躍推進企業データベース」(厚生労働省)サイトに掲載されている情報を分析し、「男性育児休業取得率が高い」「平均残業時間が少ない」「年次有給休暇取得率が高い」「管理職に占める女性の割合が高い」という4つの項目において優秀な企業を選定するなどして、選出したもの。
その中で特に優秀だった企業として、グランプリにはSCSK、特別奨励賞には丸井グループ、ピジョンが選ばれた。
グランプリのSCSKでは9年前、月間平均残業時間が35時間だったのを2016年度実績では18時間に削減し、年次有給休暇取得日数は19日とほぼ100%の取得を達成。男性育休の取得率も83%にのぼるなど、女性だけでなく子育て中の男性も働きやすい職場風土が評価された。
2013年から働き方改革「スマートワークチャレンジ」を導入し、残業を減らして有給を取得するという風土作りに取り組んできたという同社。
人事グループの小林氏は「マネージャーが業務を把握して負荷をコントロールし、一人ひとりが仕事の無駄を省く。上司と部下がコミュニケーションを取りながら愚直に進めてきました」と取り組み過程について解説した。
また残業をしなくても一般社員に月20時間、中堅社員に月35時間分の残業代を支払う制度を紹介。「残業代が減ることで業務の効率化にブレーキがかかるのはもったいない。『減らした残業代は還元します、だから安心して仕事の効率化を進めてほしい』というメッセージを込めました」と制度導入の背景について語った。
特別奨励賞「残業時間が少なく男女差も少ない」
2位の丸井グループは月の平均残業時間が3.5時間であるほか、男性が4.9時間、女性が2.1時間と男女の差が少ないことも評価された。男性育休取得率についても、94%にのぼっている。営業店のシフト勤務体制は20~30パターンと、働き方に柔軟性がある点もポイントとなった。
また3位のピジョンも月の平均残業時間が3.8時間と少なく、丸井グループと同様に時間数に関して男女の差が少ない点が評価されている。男性育休取得率は100%であることに加え、全員が1カ月の休暇を取得。管理職を含む全社員を対象として19時に退出するルールがあるなど、妊娠・出産後も子育てに取り組みやすい環境が整備されているといえそうだ。
日経DUALでは調査の中で見られたトレンドとして、家族分の夕食まで会社が用意してくれる「夕ごはんサービス」や、"休む理由がない"という社員に有給休暇を取得してもらうため、休暇中の過ごし方のプランを提案してくれる「有休トラベル」なども紹介。4位以下のランキングは以下の通りとなっている。
上位(4位以下)から順に、サントリーホールディングス、アメリカンファミリー生命保険、NTTコミュニケーションズ、積水ハウス、大同生命保険、朝日生命保険、セイコーエプソン、住友生命保険、日本生命、群馬銀行、三井住友銀行、東日本電信電話、富士電機、JXTGエネルギー、北都銀行、明治安田生命保険、オリックス、全日本空輸、ビースタイル、日本HP、川崎重工、昭和電工、DACグループ、旭化成、トヨタファイナンス、雪印メグミルク、住友化学、ワークスアプリケーションズ、かんぽ生命保険、サッポロビール、ポピンズ、ダノンジャパン、スープストックトーキョー、楽天、フィナンシャル・エージェンシー、川崎信用金庫、アルペン、メンバーズ、スタイル・エッジ、フィリップモリスジャパン、エバーセンス、プリンシプル、ショーケース・ティービー、コイズミ照明、ヒルトン・グランド・バケーションズ、クレイジー、メディプラス。