この線が、次の大きな変革を迎えたのが2008年のこと。急行の運転が始まり、所要時間を短縮した。さらに翌年には二子玉川・溝の口間の複々線化が完成。運転区間が延びている。

その結果、利用客数が毎年、右肩上がりで増加したのである。東急の資料では、2008年度の1日平均輸送人員が40万1458人であったのが、2016年度には49万5113人に達した。約23%も増加しており、その傾向はまだ続いている。

田園都市線のバイパスとして注目

現在は6両編成と7両編成が混在しているため、乗車位置表示も3種類表示。いずれ7両と5両に統一される

大井町線へ利用客が集まるようになった、最大の原因は田園都市線の激しい混雑。2016年度の混雑率がピーク時には184%(国土交通省の統計より)というラッシュを避け、溝の口始発の大井町線へと「逃げる」利用客が増えたということだ。

もちろん東急も、田園都市線のバイパスとするべく、大井町線の強化を図っている。そのための急行運転であり、溝の口乗り入れである。特に溝の口への延長でJR南武線からの客が直接、大井町線へ乗り継げるようになったことが、混雑緩和には効果が大きかったという。