50年超の歴史を持つハイゼット、変わるユーザー像
ダイハツによると、ハイゼット カーゴが属する軽キャブバン市場の規模は、ここ10年で大きく変わらず、19万台前後で推移しているという。しかし、ハイゼット カーゴはフルモデルチェンジから13年が経過し、使われ方や使う人が変わっているようだ。ダイハツはマイナーチェンジに際して、社会情勢の調査やユーザー調査などをしながら企画立案を行った。
ダイハツの調査によれば、ハイゼット カーゴを使う業界ではユーザーの忙しさが増している。例えば東京オリンピックを控えた建設業であったり、ECが増えた配送業であったりといった具合だ。使う人は高齢化しつつあり、就業率が向上している女性が運転するケースも増えているという。そんな状況もあって、クルマの「安心・安全」に対するユーザーの関心がますます高まっているそうだ。
事業主にとっても買いたいクルマに?
ダイハツが今回、軽商用車としては初めて搭載した「スマアシⅢ」は、ステレオカメラにより、歩行者も認識して作動する衝突回避支援ブレーキが特長だ。他にも車線逸脱警報機能であったり、誤発進抑制制御(前・後方)といった機能がある。
ダイハツ広報に聞くと、例えば事業主として軽商用車を購入する顧客は、客先に出向くクルマで事故などを起こしたくないという意識があるので、安全装備を欲しがるケースが多いという。また、そもそも法人向け車両を供給しようと考えた場合、対人のブレーキ支援が付いていなければ、そもそも入札に参加できないというケースも存在するそうだ。
軽自動車は価格の上昇が販売に大きく響く車種なので、新たな装備を搭載するにも制約があるはずだ。しかしダイハツでは、「先進技術を皆のものに」(松林専務)という考えのもと、「軽自動車やコンパクトカーなど、より経済性を重視されるカテゴリーでも、顧客に喜んでもらえる機能と価格で、これらの(先進)装備を届けること」(同)を重視していくという。