「第45回 東京モーターショー2017」が開幕し、25日はプレスデーとして、国内・海外主要メーカーがプレスブリーフィングを実施した。ホンダブースでは「Sports EV Concept」をはじめ、3台のEVコンセプトモデルがお披露目された。
量産EVのベースモデルなど3台のEVコンセプトを公開
プレスブリーフィングは四輪部門・二輪部門の合同で行われたが、ここでは四輪について紹介する。登壇した本田技研工業代表取締役社長の八郷隆弘氏は、「昨年、2030年までに販売総数の3分の2を電動化することを発表しました。現在、その具現化に向け、商品展開を行っているところです」とホンダの取組みについて紹介した。「電動化」のキーワードは、今回発表されたコンセプトモデルにも反映されている。
世界初公開となった「Sports EV Concept」は、「操る喜び」がテーマのEVスポーツ。低重心なEV専用プラットフォームに、レスポンスの良い電動パワーユニットの組み合わせでスポーティーな走りを実現するという。ドライバーの表情や声の調子からストレスの状況を判断し、安全運転のサポートを行うAI技術「Honda Automated Network Assitant」など、先進のテクノロジーが詰まったモデルだが、「S600クーペ」を連想させるスタイリングはどことなくレトロで親しみやすい。
「Sports EV Concept」の隣に並べられた「Urban EV Concept」は、今年のフランクフルトモーターショーでお披露目されたシティコミューター。これをベースとした量産EVが2019年に欧州で発売されることはすでに公表されていたが、八郷氏は「欧州での発売に続いて、2020年に日本でも発売する予定」であることを発表した。
四輪ではもう1台、EVコミューターコンセプト「NeuV(ニューヴィー)」も公開されている。こちらはAIの他に自動運転技術も搭載され、オーナーが使用しない時間には自動運転で移動し、ライドシェアを行うといった使い方も検討されているという。
海外で先行発表されるモデルが続々と日本へ登場
今回の東京モーターショーでは、ホンダが海外で先行して発表または販売している複数のモデルを国内初出展している。燃料電池車「クラリティ FUEL CELL」と同じプラットフォームを使ったプラグインハイブリッドモデル「クラリティ PHEV」もそのひとつ。年内に北米で発売予定とアナウンスされているが、八郷氏から「来年(2018年)の夏、日本にも投入」する予定であることが明らかにされた。
また、5代目「CR-V」や、ビッグマイナーチェンジが行われた「レジェンド」も東京モーターショーでジャパンプレミア。「CR-V」では中国で発表されたハイブリッドモデルや3列シート車も設定されるという。「レジェンド」は顔つきが大きく変わっている。いずれも2018年に日本で発売予定とのことだ。
今年、北米でデビューした10代目「アコード」については、国内導入に関する具体的な言及はなかったものの、期待が高まる。こうした流れについて、「軽自動車やミニバンが多く、ホンダらしいクルマが少なくなったと言われる中で、ホンダにはグローバルで通用する強いモデルがあることを知っていただきたい。そして、日本のホンダをもっと元気に輝かせたい」と八郷氏は話していた。