※2008/10/09掲載記事の再掲です。

この夏、各地を襲った「ゲリラ豪雨」。雷で通信機器やパソコンが壊れたという話もよく聞く。そんな事故を未然に防ぐとされるのが「雷ガード」という製品だ。その効き目はいかに?

2種類のケーブルで接続する機器が危ない

雷による通信機器やパソコンの故障を未然に防ぐとされる雷ガード 「TAP-3805SPN」  そもそも、雷の被害を受けやすいのはどういう機器なのだろうか。「雷ガード」製品を発売しているサンワサプライによると、「事故で多いのは、雷が電源や通信ラインから入ってきて壊すパターンです。機器でいうと、ADSLモデム、ルーター、電話機、FAX、パソコンなどですね」。

雷が落ちると、瞬間的に3,000~4,000Vもの高電圧(「雷サージ」という)が発生する。これが電線や電話線、アンテナなどを通って宅内の機器に進入すると、基盤にダメージを与え、故障につながる。インターネットを利用しているパソコンでは、電源だけでなく、ルーターやモデムなどを経由して電話線にもつながっているため、雷サージが通り抜けやすくなり、被害に遭う危険が高くなるのだ。同様に、アンテナと電源につながっているテレビやビデオも被害に遭いやすい機器と言える。

雷被害を防ぐ一番の安全策は、ケーブルを抜くこと。電源をオフにしても、ケーブルがつながっていれば雷サージは入り込んでしまう。外からの進入経路を物理的に断つことが重要なのだ。

アースをつなぐと安全性がアップ

とはいえ、雷のたびにすべてのケーブルを抜いて身を潜めているわけにもいかない。そこで注目なのが「雷ガード」だ。見た目は普通のOAタップで、機器のプラグを直接コンセントに差し込まず、このOAタップを経由すればいいだけ。機器とコンセントとの間に、雷サージを減少させる吸収素子内蔵の装置を介入させることで、被害を防ぐ。

同社によると、インターネットユーザーには電源&TELのダブルガードタイプがおすすめだそうだ。これにより、電線と電話線、双方からの雷サージの進入に対応できるという。 「たとえば「TAP-3805SPN」という製品は雷サージを吸収素子で吸収すると同時に、アースへも逃がす回路を搭載しているので、より安心です」

しかし、雷ガードを使っても被害は100%防ぎきれないとも聞く。その点について同社に尋ねてみた。 「被害に遭うのは、正常に接続されていないケースが多いようです。特にアースを取らないといけない機種でアースをとっていない場合が多く、これによりモデムが壊れたケースは、年間に3~5件ほどあります」

同社に聞いた限りでは、上記のような機種を使い、正しくアースを接続していれば、まず大丈夫だとのこと。直接落雷を受けた場合には雷ガードを付けていても防御は不可能だが、どうしても利用を中断できない場合や外出時のことを考えると、まさに備えあれば憂いなし。導入しておく価値はありそうだ。

雷ガードタップ「TAP-3805SPN」
標準価格:11,340円
文●永井祐子(エフスタイル)