三菱地所は10月11日、沖縄県宮古島市伊良部地区において計画を進めてきた下地島空港における国際線等旅客施設整備・運営及びプライベート機受入事業に関し、「下地島空港旅客ターミナル施設」新築工事に着工、地鎮祭を開催した。同施設は2019年3月に開業を予定している。
同事業は、沖縄県・下地島空港において旅客ターミナル施設を整備し、国際線・国内線旅客の取扱い、並びにプライベート機等の受け入れを行うもの。2015年12月、沖縄県へ事業実施についての提案を行い、2017年3月に沖縄県と基本協定を締結、今般着工する運びとなった。
今後、下地島空港の持つ宮古圏域の玄関口としての高いポテンシャルや、リゾート感あふれる立地を生かしつつ、同社が持つノウハウや知見を用いて、下地島空港及び空港周辺地域の活性化を推進し、内外交流人口拡大によって地域活性化を後押しする。また今後、沖縄県での事業拡大を目指す。
同社は同事業を通じて、国内屈指のリゾート地として人気の高い宮古諸島に国際線機能を整備し、国際的なリゾート地への更なる成長を支える。下地島空港をパイロット訓練飛行場としての機能のみならず、一般旅客が使用できる空港として再出発を図る。
同事業のキーコンセプトを「空港から、リゾート、はじまる。」と定め、空港利用者や航空会社の視点に立った施設づくりに取り組む。空港に到着した瞬間にリゾート体験のはじまりを感じられるよう、豊かな緑や自然の光を取り込み、航空機への搭乗直前まで利用者がくつろげる空間を演出する。同計画は、ターミナル正面にレンタカーの乗り出し・返却エリアを整備する等旅行者の動線を意識した設計となっており、観光客にとっての使い勝手の良さを追求する。
同施設では、空港ターミナルとして全国で初めて、CLT(直交集成板)を屋根の構造材に採用。また同様に、空港ターミナルとして全国初となる「ネット・ゼロ・エネルギービル」(エネルギー自立度を極力高め、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物)の取り組みを実施している。2つのエコへの取り組みで、「エコアイランド宮古島」に相応しい施設を目指す。
沖縄県は、2021年度までに沖縄県への入域観光客数1,200万人(うち外国人観光客数400万人)達成という目標を掲げている。この目標に向かって、下地島空港において、国際線、国内線LCCおよびプライベート機等、新たな航空需要の受入を行うべく、沖縄県等とともに航空路線の誘致活動を進めている。
国際線では、近年沖縄への観光客が多い台湾や香港、すでに宮古島にチャーター便が就航している韓国など、アジア地域をメインターゲットと定め、路線開拓を行う。国内線では、LCCを中心に主要都市からの就航を目指し、誘致活動を実施。路線開拓については、沖縄県や沖縄観光コンベンションビューロー、宮古島市や宮古島観光協会等と連携して進めていく。
所在地は沖縄県宮古島市伊良部字佐和田1727番地で、構造はRC造+CLT造、地上1階建。敷地面積は3万1,580平方メートル、施設面積は1万3,840平方メートル。2019年3月の開業を予定している。