空き家の再生活動をする空家レンジャーは9月、神奈川葉山町長柄の社員寮跡地に「葉山ファクトリー」をオープンする。第一弾プロジェクトは、神奈川県逗子市の古家をシェアハウスとして再生に成功。今回の第二弾として、神奈川県葉山町の巨大な空き家となった元社員寮をものづくりの拠点として再生に挑む。

広大な敷地にある葉山ファクトリー

今回の拠点は、様々なものづくりのクリエイターたちが創作活動ができるシェア工房となり、一般の人たちもものづくりワークショップなどを体験できる場になる。再生に必要な資金調達のために、9月21日までクラウドファンディング(CAMPFIRE)にて支援を呼びかけている。

葉山ファクトリーのイメージとロゴマーク

空家レンジャーは、神奈川県で空き家再生の活動をしているボランティア集団。空き家の改装をプロに外注すると、建て替えた方が安いぐらいの見積りが出てきてしまい、そのまま空き家が放置されるという実態がある。そこで、自分でつくるというDIYを武器に"楽しく"空き家を再生していくことを目指す。

空家レンジャーの活動風景

第二弾の空き家再生プロジェクト「葉山ファクトリー」は、神奈川県葉山町の元社員寮だった巨大な空き家をものづくりの拠点として再生に挑むというもの。この拠点のコンセプトは「シェアリング×アップサイクル」となっている。

改装前の葉山ファクトリー(建物全体)

改装前の葉山ファクトリー(内部等)

空き家再生の活動の中でも悩ましい材料と道具の費用がある一方で、捨てられてしまう材料や眠っている道具も沢山あるという実態もある。そこで、材料や道具を共有化(シェアリング)し、新しい価値を創造すること(アップサイクル)ができる拠点を目指す。

アップサイクルとは、一般的なリサイクル(ダウンサイクル)ではなく、クリエイティブな力によって元よりも価値の高いものを作り出すこと。空き家再生に限らずものづくり全般の「もったいない」を救う拠点として、様々なものづくりのクリエイターたちが集まり、一般の人たちもDIYやものづくりを体験できる場となる。

葉山ファクトリーの正面図

葉山ファクトリーのロゴマークは、捨てられる材料や眠っている道具を「回収」し、それを必要とする人たちと「共有」していくことで、そこから新しい価値を「創造」していくという、3つの矢印から構成されている。

建物は1フロア約120平米の鉄骨2階建。2階の個室は、様々なものづくりクリエイターが自分の工房をもてる「シェア工房」に(入居者募集中)。そのうち1室は、新しいものづくりに挑戦する「ものづくりラボ」に(ファブラボ葉山も検討中)。レーザーカッターや3Dプリンターなどデジタル工作機器をアップサイクルに活かす方法を実験できる場となる。

建物の外にある工作小屋は、共有する材料や道具が集まる「みんなの工房」に(モニター会員募集中)。野外スペースを使ってタイニーハウス(小屋)づくりなど、大型な製作もしやすい場となる。

建物の外にある工作小屋のイメージスケッチ

さらに、1階の食堂を曜日交代でカフェ出店ができる「シェアカフェ&キッチン」を構想。空家レンジャーの運搬用の軽トラック「あきやん号」の荷台に道具が揃ったものづくり小屋を作って、空き家を再生しに出動できる「移動式のものづくり工房」なども視野に入れている。

1階のシェアカフェ&キッチンのイメージスケッチ

空家レンジャーの軽トラック「あきやん号」の移動式ものづくり小屋のイメージ

舞台となる神奈川県の葉山町は都心から1時間あまり。関東圏から日帰りでも行ける場所にある葉山町は、御用邸があることで知られるが、海と山に囲まれた自然を大切に自己表現を楽しむ人たちが多く住む町となっている。オープン後には、毎月(第3日曜予定)ものづくりワークショップのお祭り「つくるいち」を開催し、葉山町からアップサイクルの文化を広めていく。

できる限り廃材などを使用して改装を進めているが、最低限の材料や道具が必要になる。また、錆びた階段や水が溢れるトイレなど設備の補修を行い、安全に利用できる場にしていくためにも、クラウドファンディングを使って支援を呼びかけている。

9月21日23時59分まで実施しているクラウドファンディングでは、目標金額100万円として掲げ、目標金額をこえて支援金が集まった場合、1階のシェアカフェ&キッチンの改装、軽トラを使った移動式のものづくり小屋、ものづくりラボのデジタル工作機器導入など、この場がさらに活性化していくために使われる。

リターンとして用意されたアップサイクル作品たち

支援者に対するリターン(お返し)としては、空家レンジャーの「ステッカー」や「カラーつなぎ」、葉山ファクトリーの「てぬぐい」や「Tシャツ」などのオリジナルグッズに加え、この場から生まれた様々なアップサイクル作品が用意されている。また、9月24日オープニングパーティーの招待チケットや工作小屋のモニター会員、さらに空き家相談や協賛の募集も行なっている。