イケア・ジャパンは8月24日、都内で2018年度の事業戦略および新商品に関する説明会を実施。2018年度は、800点以上の人気商品を「NEW LOWER PRICE」として平均22%の値下げ率で展開するほか、猫や犬を対象としたペット商品をイタリアとフランスとともに日本で実験的に販売を開始する。
人気だから安くなる
「NEW LOWER PRICE」は、人気商品であるほど大量生産が可能になることを生かして設定されたもの。大量生産に加えて、製造過程やパッケージング、輸送に関わるコストなど、一つひとつの工程を見直すことで、より効率化・コスト削減を実現している。
8月24日より、約600点以上の人気商品を「NEW LOWER PRICE」として展開し、1年間で800点以上の商品を平均22%の値下げ率で販売していく。例えば、2人掛けソファーで最も人気の「シーヴィク」(カバーの取り外し可能・品質保証10年)は、税込3万9,900円が税込2万9,900円と約33%値引きされている。この「NEW LOWER PRICE」自体は過去にもさまざまな商品を対象に実施しているが、特に2018年度はその商品数を増やすことで、より低価格にコミットした戦略をとる。
イケアの商品は全て、「デモクラティックデザイン」と呼ばれる5つの要素(形・機能・品質・サステナビリティ・低価格)を考慮してデザインされている。イケア・ジャパン代表取締役社長のヘレン・フォン・ライス氏は、「我々は5つの要素が全て満たされない限り、商品を発表しない。そして、いい製品を提供する上で低価格は最も大事なこと。日本の景気は回復基調にあり、『消費をしてもいいんだ』という安心感を持ってもらいたい」とコメント。低価格志向にある日本市場において、より旺盛な購買力に期待した商品を展開していく。
10月から猫や犬のアイテムが初登場
また、2018年度からペット商品の取り扱いも開始し、パイロット市場として日本とイタリア、フランスから展開していく。"ペットも家族の一員"というところから構想されたペット商品は、世界的に見ても人とペットとの関係が非常に密であることを理由に、パイロット市場として日本が真っ先に選ばれたという。ベッドやソファーなど約70点を取りそろえ、10月より販売を開始する。その一部は、9月14~16日に二子玉川ライズ・ショッピングセンターで展開する限定イケアショップで公開する。
そのほか、2018年度の展開としては、10月11日に東海地方初出店でリニモ「公園西」駅直結の「IKEA長久手」(愛知県長久手市)をオープンする。国内10店舗目となる同店は、ソーラーパネルを設置したイケア・ジャパンの中で最もサステナビリティな店舗であり、フードコートや無料の託児エリアなども設置する。同社は2020年までに全国14店体制を目標に掲げてきたが、ヘレン氏はより市場にあった店舗を模索するとして、小型店舗も含めた構想をしていることを明かした。
また、4月から日本でも展開を始めたオンラインストアは現在、全売り上げの5%を占めており、数年後には20%にまで伸ばすことを視野に入れている。具体的には、欲しいものをすぐに見つけられるような、シンプルで分かりやすいデザインやシステムに改良するとともに、配送エリアの拡大を目指す。また、一部の店舗で展開しているベーカリーを全店舗展開することも構想している。