テレビや雑誌などでオシャレな部屋特集などがあると、結構な確率で観葉植物がひとつの風景になっていることがある。そこで今回、「なんとなくかっこよく見えるガーデニング系のインテリアを教えてほしい」という質問を、ドイト花ノ木与野店のガーデン担当である柳下和之さんにそのままぶつけてみた。
流行りは「着生・固根・テラリウム・エアプランツ」
柳下さんによると、最近特に人気が高まっているのが、コウモリランなどのような着生植物のほか、トックリランなどの固根植物系、コケ竜眼などのテラリウムとのこと。なんだか響きからしてすでにかっこいい気がしているのだが、テラリウムとは、水槽やガラス瓶の中に植物を入れて栽培するスタイルのこと。コケのほか、多肉植物や水草を用いたものも人気だ。
土がいらないエアプランツも流行ではあるものの、育て方を間違った結果、枯らしてしまうなどの失敗をしている人も多いと柳下さんは言う。「土を使わないのは本当ですが、水がいらないという認識は間違いです。逆に土がない分、水は頻繁に必要です。水をあげる時は霧吹き程度ではなく、水をかけ流せる場所でかけ流した方がいいです」(柳下さん)。なお、エアプランツの中でも、水を好むものとあまり好まないものあるため、購入する際はスタッフに育て方を教えてもらうようにしたい。
「インスタ映え」狙いなら多肉植物を
また、男性が好むものと女性が好むものは傾向が異なるという。女性の場合、見た目のコロンとしたかわいらしさや色合いという意味で、多肉植物が愛されているという。多肉植物は寄せ植えができ、インスタ映えもする。
多肉植物の中でも、香りが楽しめハーブティーにして飲むこともできるアロマティカスが特に今人気が高く、半透明のハオルチアもよく好まれているという。また、見た目のかっこ良さで選ぶなら、黒法師は雰囲気があっていい。
ちなみに、サボテンも多肉植物の一種で多肉植物サボテン科というのが正式な分類。しかし、サボテン科に属する植物は数が多いため、園芸業界では「サボテン」とそれ以外の「多肉植物」として分類している。
室内で育てる場合、種類にもよるが、多肉植物よりもサボテンの方が育てやすいと柳下さんは言う。サボテンは乾燥に強く、水やりは月に1~2回程度でOK。しかし、その頻度の少なさゆえに存在そのものを忘れてしまい、つい数カ月、水やりを忘れていたということも起きやすい。いくら乾燥に強くても、3~4カ月経てば枯れてしまうため、水やりのタイミングを忘れないようにしよう。
また、丸っとしたフォルムの玉サボテンは育てやすいが、サボテンの中にはヒボタンやクジャクサボテンなど、接木をしないと2年くらいで花の台座となる下部が腐り、枯れてしまうものもある。自分が買おうとしているサボテンがどんな品種のサボテンなのか、事前にスタッフに聞き、育て方を教わるようにしよう。
観葉植物を骨董品感覚で楽しむ
一方、男性が好みやすい植物を柳下さんにうかがったところ、高額・希少価値の高いものであることも多いという。「大物だけではなく、ほとんど流通していないもの。希少性を好み、植物栽培というよりも骨董品感覚で楽しんでいる人が多いような気がしています」(柳下さん)。
ショップ内を見てみると、10万円や20万円などと、0の数が他と違う植物がさりげなく存在していた。なぜそんなに高いかと言うと、本当に希少な株で増やすことも難しい品種だからとのこと。なるほど、観葉植物の世界は奥が深い。
※価格は2017年6月時点の、ドイト花ノ木与野店での販売価格
プロフィール: 柳下和之
ドイト花ノ木与野店・ガーデン担当。「歩く植物図鑑」と呼ばれるほどの学究肌で、植物のみならず虫、農薬などの園芸にまつわる分野に精通している。好きな植物は「キンモウコウ」で、「ひょろっとしたところがかわいい」とのこと。