他店に先駆けて夏季限定メニューを展開

6月30日のオープンを前に、新宿サザンテラス店の内覧会に足を運んでみた。店内はシェイクシャックらしく木目調でしゃれた雰囲気だったが、全長5メートルというペインティングが強烈なアクセントとなっていた。

店内の様子。ペインティングが目を引く

サザンテラス店では夏季限定商品を他店に先駆けて展開。チリあるいはホット、または激辛という表現で人気を博している辛味をテーマに、日本市場に新商品を登場させた。「ピクルドハラペーニョバーガー」が、シェイクシャックの提供する夏場の新商品だ。

ハラペーニョは実際、そのままでも十分な辛さを持つ存在として日本人の多くに認知されている。しかしながら、その辛さは他の食材の良さを減退させてしまう可能性も秘めている。シェイクシャックの新作バーガーは、そこまで辛さを前面に出さず、夏場に最適な彩りや、ほんのりとした辛味という役割をハラペーニョに与える。ハラペーニョをピクルスにして、細切りして揚げたものをトッピングしているのだ。

「ピクルドハラペーニョバーガー」は880円。新宿以外の3店舗では7月8日に発売した。販売期間は8月31日までだ。飲み物はシェイクシャック版シャンディガフの「シャックシャンディ」

ピクルスにしたハラペーニョの輪切り、これだけを口に入れると、やはり辛味が先に舌先を刺激する。驚きの食感は、完成品をしっかりと頬張ると実感できる。輪切りのハラペーニョのフライとサクサク感満点のエシャロットのフライ。その2つのサクサク感に加え、とろけたチーズを身にまとった、うまみ満点のビーフパティが味を支えている。口の中で咀嚼していると、徐々にサクサク感は薄まり、ほどよい辛味とビーフの濃い味わいがまとまってくる感覚だ。

確かにハラペーニョバーガーは、同じく夏季限定メニューとなるシャックシャンディに合うかもしれない。このドリンクはグラスだけでなく、ピッチャーでも提供される。数人のグループなどで味わうにはピッタリかもしれない。

新宿店でだけ提供する通年の限定メニューとしては、「レインボーコネクション」(左)と「ソルテッドキャラメルバナナクランチ」がある

テラスの設定も強み、モノとコトの価値を合わせて提供

サザンテラス店でも感じたことだが、シェイクシャックの強みの1つとなっているのはテラス席の設定だ。新宿のテラス席であれば、夕陽の落ちる風景を見つつ、高層ビル街を駆け抜ける涼風に身を任せながら、うまいバーガーとビールを味わうことができる。そんなシーンの演出も、シェイクシャックの仕掛けなのかもしれない。食べ物だけを売るのではなく、その場所における経験や体験を付加価値として提供するのがシェイクシャック流だ。

質の高いメニューと店舗での体験を合わせたトータルの価値を提供するシェイクシャック。そのビジネスモデルは「ファインカジュアル」だ。