アイドルグループ・欅坂46の握手会で発煙筒をたいた男が銃刀法違反の容疑で逮捕された。2014年5月にAKB48の握手会でメンバー2人らが襲撃された事件が記憶に新しい。再び安全面や握手会の意義が見直される中、2日放送のフジテレビ系トーク番組『ワイドナショー』(毎週日曜10:00~11:15)でもさまざまな意見が交わされた。逮捕された男は、入場前に自分のバッグを忘れ物として預け、手ぶらで手荷物検査を通過した後に会場内でバッグを受け取るという巧妙な手口だった。

松本人志(左)、ヒロミ

出演者の主なコメント

社会学者・古市憲寿氏:タレントさんやこうやって表に出る仕事は、割に合わないと思うことが多い。普通に生活していたら、通り魔を除けば、親族や知り合いに殺される可能性はあっても、こちらが知らない人に殺意を抱かれることはない。それぐらい危険な面がある仕事、割に合わない仕事なんだなと思います。

(アイドルは)直感的に(握手会の)大切さを分かってるんじゃないですか? 政治家でも握手はものすごく大事。選挙期間中にいかに多くの人と握手できたかということが票につながる。身体接触によって親近感を抱くものだから、やっぱり握手は人気商売ではすごく大事なんですよ。だから、なかなか「やめる」という決断はできないんじゃないかなと思います。

国際政治学者・三浦瑠麗氏:(自分が握手会をやる時は)いつも見ていてくださる方とかツイッターのフォロワーの方が来る時には、こっちは誰だか分からないけど、向こうの方は全部の情報を知っているじゃないですか。デマも含めて、ネットの情報を知っている状態で会っているわけで、こちらは信頼して会わざるを得ない。性善説みたいな感じで。正直、ちょっと怖いこともある。

お笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志:極端な話、握手会をやめるのか、アイドルをやめるのか。どっちか選べよ、みたいな世の中になってしまっている。本人たちが腹を括るしかないよね。本人たちの意思ですよ。周りがどれだけ安全に気を使っても不特定多数の人間を集めて、ましてや触れ合っているわけやから100%の安全なんてあり得ない。毒霧を吹いてくるやつがいるかもしれないからね。

タレントのヒロミ:「身近なアイドル」でこういうことになっているんでしょ? それやめればいいじゃんね。やっぱり「アイドル」は、すごい憧れのところの(存在に)。じゃないと、怖くない?

芸能リポーター・長谷川まさ子氏:こういうことが起きるたびに、会いに行けるアイドルの「握手会はどうなんだ?」という議論に必ずなるんですが、われわれもよく取材に行きますが、タレントさんでも出版記念で握手会があったりとか、CDで即売会があったりします。そういうことを考えると、今後安全策も含め全部考えていかないといけない世の中になってしまったのかなという気はします。


「じゃらん」新CM発表会で心境を語った桜井玲香

乃木坂46のキャプテンを務める桜井玲香(23)は、28日に都内で行われた「じゃらん」新CM発表会で、「翌日に欅坂や私たち、AKBさんも握手会を普通に開催したんですが、ファンの方にもご協力していただき、何とか今まで通り開催できました。今後も皆さんにご迷惑とご心配を掛けないような握手会ができるようにと、スタッフとメンバーと話しました」と報告。

ショッキングな出来事を目の当たりにした欅坂46のメンバーには「姉妹グループの先輩としてケアというのはメンバー同士しっかりしなければと改めて感じました」と気遣い、「一番支えて下さっているのはファンの皆さん。私たちを繋ぐイベントだと思いますので、これからも出来ればやっていきたいという気持ちはあります」と握手会の意義を訴えた。

2日放送の『ワイドナショー』では、松本から「これをやると握手会に来る人が減るかもしれないですけど、例えば"2人1組で来ないとダメ"とかね。多少抑止力にはなると思う」という提案も。松本は、AKB48襲撃事件の翌月となる2014年6月1日放送回で「もっとタチの悪い事件に発展する可能性もある」と深刻に捉え、「ビジネスとファンサービスのバランスをどうとっていくかですよね」「このままエスカレートしたらもっととんでもないことになってたから、これで1回ちょっと立ち返って」「握手会やめろって言うんじゃないけど、それはそれで形を変えたりもっと小規模にしたり」などと語っていた。