メリット

・税制面で優遇される

ジュニアNISAの最大のメリットは、何といっても、年間80万円までは非課税投資枠を利用できる点でしょう。また、5年間の非課税期間が終わった後は、2023年の制度終了後も「継続管理勘定」へロールオーバーでき、子どもが20歳になるまで非課税運用を継続させることが可能です。

・年間の非課税投資枠が贈与税の基礎控除額内に収まる

ジュニアNISAを利用すると、そのお金は贈与の対象となります。しかし、ジュニアNISAの非課税投資枠(年間80万円)は、暦年贈与における贈与税の基礎控除額(年間110万円)内に収まるため、非課税での贈与が可能です。

デメリット

一方、デメリットと考えられる点は以下の通りです。

・18歳までは口座からの払い戻しができない

先述の通り、ジュニアNISAは子どもの教育資金等を準備してもらう目的から、「災害等のやむを得ない事由」などを除いては、18歳まで資金の引き出しができません。だからこそ、他の用途で使ってしまうことはありませんが、流動性が低い商品であることは頭に入れておきましょう。

・損益通算ができない

これは一般のNISA口座にも言えることですが、ジュニアNISAの口座における取引で損をしても、特定口座など課税口座と損益通算ができません。つまり、ジュニアNISAの口座で損が出ていても、その損失がなかったことにされてしまうのです。その場合、損益通算ができないために多く税金を支払うことになります。

・リバランスが難しい

ジュニアNISAは年間の非課税投資枠が80万円のため、リバランスを行いたい時、保有する商品を売買して入れ替えるとその枠を使い切ってしまう可能性があります。バランス型の投資信託を活用するなど、工夫が必要です。

ジュニアNISAを賢く活用するためには

それでは、ジュニアNISAの制度を賢く活用するためには、どのような使い方をすればいいのでしょうか。まず、他の口座と損益通算できないことから、短期売買のようにリスクの大きい取引ではなく、値動きが控えめで、安定して運用できる商品を長期的に保有し、分配金や配当金を受け取る方法がおすすめです。投資信託や株主優待株などに分散投資してみましょう。

また、少しでも長く運用できるよう、子どもが小さいうち早めにスタートさせるのが得策です。そして、家族でNISA口座を持ち、非課税枠を増やすこともできます。両親が一般のNISA、子ども一人がジュニアNISAを持てば、家族で合わせて年間320万円の非課税枠を利用することが可能になります。ジュニアNISAで教育資金を運用しつつ、NISA口座と併用するなど非課税枠を最大限活用してみましょう。

ジュニアNISAは、5年間かけて総額400万円の非課税枠を利用できるため、うまく使えば大きなメリットを受けられることになります。ただし、引き出しに制限があるほか、子どもが18歳時に損失が出ているリスクもあります。それらを踏まえたうえで、教育資金を運用する選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。