三菱ふそうトラック・バスは15日、21年ぶりにフルモデルチェンジを行った大型トラックの新型「スーパーグレート」を発売した。「経済性」「安全性」「快適性」、さらには通信技術を用いた「コネクティビティ」を大きな柱に開発。優れた燃費性能と高い出力特性、そして軽量化も達成した新開発エンジンに、クラッチペダルのない2ペダル化と自動変速を実現した新型12速AMT「ShiftPilot」を全車に採用している。
「ShiftPilot」は2ペダル方式の12速機械式自動トランスミッションで、一般的なオートマチックトランスミッションのように、Dレンジでの運転操作だけで路面状況や車両負荷などに応じた変速操作が自動的に行える。シフト操作はステアリングコラム左側に配置されたマルチファンクションレバーによって行い、ステアリングから大きく手を離すことなく操作できるため、安全性が高く、レバー内のダイヤルを回すことで容易なシフト操作が可能となる。
エンジンには10.7Lと7.7Lの新開発エンジンを搭載。10.7Lの「6R20」型エンジンは、第2世代の排出ガスのコントロールシステムを搭載し、燃焼効率を高めたことで小型軽量化したにもかかわらず、従来車の12.8Lエンジン以上の低速トルクを実現。さらに全回転領域においてパワフルで扱いやすいエンジン特性を持ち合わせている。7.7Lの「6S10」型エンジンは、従来の「6R10」型エンジンから排気量にして約40%の小型軽量化を実現。過給システムには、小型ターボ(高過給)と大型ターボ(低過給)による2ステージターボチャージャーを新たに採用し、低速域での応答性能と高速域での力強さを両立した。
安全性では、従来のAMBの機能を進化させた衝突被害軽減ブレーキ「AMB plus」、もしくは「AMB plus」を発展させた「ABA4」を搭載。どちらも警報ブザー・ディスプレイ表示・自動ブレーキで構成されており、前走車や停止車両との衝突可能性を認識すると警報ブザーとディスプレイ表示によって回避を促し、さらに衝突の危険が高まった際に限定的なブレーキ力(50%の制動力)が立ち上がって回避動作を強く促す。それでも衝突が避けられないとシステムが判断した場合には、警報ブザーを発報するとともにフルブレーキ(100%の制動力)が立ち上がる。「ABA4」だけの機能として、歩行者との衝突のリスクを検出した場合も、警告ブザーとディスプレイ表示のほか自動ブレーキによる減速操作(減速操作のみ)が行われる。
その他の特徴として、燃費性能を最大15%向上させる機能を搭載した「LIMITED WING ECO PLUS」の設定、稼働中のトラックのリアルタイムの情報をPC端末でチェックできる運行管理システム「トラックコネクト」の全車標準装備などがある。新型「スーパーグレート」の価格は、型式「2PG-FU74HZ」の東京地区販売価格で、2,105万2,440円(税込)。