ダイハツ工業は9日、軽乗用車「ミラ イース」を6年ぶりにフルモデルチェンジして発売すると発表した。同車の魅力である低燃費と低価格に磨きをかけた上で、「スマートアシスト III」を「ミラ イース」に初めて採用するなど、安全性を大幅に向上させた。

「ミラ イース G"SA III"」

初代「ミラ イース」は、当時のガソリン車で最高となる30.0km/リットルの低燃費と、入口価格が80万円を切る低価格を実現し、「第3のエコカー」という新たなジャンルの創出にも寄与したエポックメーキングなモデルに。2代目となる新型「ミラ イース」では、低燃費・低価格に加え、プラスアルファの魅力として「安全・安心」も追求した。

ボディには軽量高剛性ボディ「Dモノコック」を採用。補強材の最適配置や小型化などにより、剛性を高めながら軽量化した。フロントフェンダー、バックドア、燃料タンクには樹脂パーツを採用し、軽量化を図っている。さらに「L」「B」グレードでは、国内最軽量となる13インチタイヤとスチールホイールを新たに開発して採用した。これらの総合的な効果により、従来モデルより最大80kgの軽量化を果たした。

「ミラ イース G"SA III"」インパネ。アクセルペダルやステアリングの位置を調整することで、最適なドライビングポジションを実現するという

エンジンは従来のKF型をベースに、オルタネーターへ回転を伝えるベルトを低フリクション化するなど、メカニカルロスを低減してエネルギー効率を改善した。従来同様のデュアルインジェクターを採用しながら低コスト化を図り、CVTもケースの薄肉化による軽量化を施した。こうした軽量化とパワートレーンの改良により、JC08モード燃費35.2km/リットルの低燃費を実現している。

アクセル開度に対してリニアな加速を実現し、発進時や追い越し時の加速を従来モデルより大幅に向上させた。同時に足回りパーツを軽量なボディに最適化させて乗り心地を改善し、ボディの穴数を削減することでノイズを低減するなど、快適性を向上させた。

安全面では、「ミラ イース」初採用となる安全運転支援システム「スマートアシスト III」を搭載。世界最小サイズのステレオカメラで歩行者対応の衝突回避支援などを行う。軽自動車では初めて、フロント2個・リヤ2個のコーナーセンサーをグレード別に標準装備。障害物に接近すると、距離に応じてメーター内表示とブザー音で知らせる。装備面では、視認性の高い白色LEDの自発光式デジタルメーターを全車に採用。メンテナンス情報や燃費スコアを表示するTFTマルチインフォメーションディスプレイも一部グレードで採用した。軽自動車初となる電気スイッチ式バックドアオープナーも採用している。

ラインアップは全車とも同一仕様のパワートレーンを採用した6グレード。全グレードに2WD・4WDを用意した。価格は、最も低価格な「B」2WD車が84万2,400円、「B」4WD車が97万2,000円、最上級グレードの「G"SA III"」2WD車が120万9,600円、「G"SA III"」4WD車が133万9,200円などとなっている(価格はすべて税込)。