子どもが保育園・幼稚園に行きたがらない…登園しぶり、どうしたらいいの?(写真はイメージ)

ゴールデンウィーク明け、保育園や幼稚園に「行きたくない!」と登園しぶりをするお子さんもいるかもしれません。何が原因で登園したくないのか、園は休ませた方がいいのか……どのように対応すべきか、悩んでしまいますよね。今回は、子どもが登園しぶりをしたとき、保護者としてできることについて考えます。

大人が思っている以上に子どもは神経を使っている

ゴールデンウィーク明けに登園しぶりが出やすいのは、保護者と一緒に過ごす時間が増えることで、園で過ごしている時間との比較ができるようになるからだと思います。

家ではわがままが言えても、園では我慢が必要なことだってあるはず。子ども社会では、大人が思っている以上に、神経を使います。友達や先生との関係など、ふとしたところで自信を無くすようなことがあると、行きたくないという気持ちにもなるでしょう。

また、多くの子どもたちがいる園では、先生の目が行き届かないこともあるかもしれません。自分の意思をはっきりと主張することができれば、先生たちも異変に気づくことができますが、全ての子どもが、自分の意思をうまく伝えられるわけではありません。誰にも気づかれず、子どもが問題を抱えている可能性もあります。

"安心安全の場所が侵される"家庭に問題がある場合も

また登園しぶりというと、保育園や幼稚園内での問題ばかりに意識が向きがちですが、家庭内の環境が大きく影響している場合もあります。例えば、夫婦げんかを子どもが見ていたり、お母さんが泣いていたり、新しい家族が増えたり、住んでいる環境が変わったり……自分が安心・安全に過ごせる"家庭"の環境に不安があることで、「お父さん・お母さんから離れたくない!」という気持ちになることもあるのです。

「なぜ行けないの?」ではなく「どうしたら行ける?」

ただ、登園しぶりの原因は10人いれば10通り。1つではなく複数にわたっていることもあります。ですから、お子さんの話をじっくり聞いて、一つひとつその原因を紐解いていきましょう。その時に気をつけたいのは、「なぜ行けないの?」と聞かないことです。それから「●●が原因なんでしょ」と保護者が原因を決めつけたり、答えを待ちきれなくて「早く答えなさい」と急かしたりするのも避けましょう。子どもは、「自分の話はきっと聞いてもらえない」と心を閉ざしてしまいます。

子どもが園に行きたくないと言い出したら、「どうしたら行ける?」と問いかけてみましょう。「A子が園に行けるんだったら、私は何でもするよ。園バスではなくて、園の入り口まで一緒に行こうか?」と、登園するために保護者ができることも、子どもと一緒に考える時間を持つことが大切です。

5分だけでも、子どもと向き合う時間を持って

現代は、SNSなどが普及し、人間関係も複雑化していますし、本当に信頼できる人を見つけるのも難しい世の中になっています。そんな中で、一番の味方になってあげられるのは、保護者です。

例えば、料理中に子どもが「ねえねえ」と声を掛けて来た時、ついつい「後にして」と言ってしまうことがありますよね。でも子どもはそういう時に、「もう自分の話は聞いてくれないんだ」と思ってしまいます。家事が終わったときに「さっきの話は何?」と聞いても、もうその時は、子どもの話したい時間ではないのです。そうやって、子どもは保護者への信頼を、少しずつなくしていきます。

日頃から5分でもいいので、子どもを中心にして物事を考えたり、話を聞いたりする時間を持ちましょう。そしてそのためには、まず保護者自身が心身ともに余裕を持ってほしいと思います。笑顔で、全力で子どもを受け止めてあげられる環境が作れたらいいですね。

大崎清美

日本プロカウンセリング協会認定 心理カウンセラー/一般社団法人 日本青少年育成協会認定 初級教育コーチ/NLPメンタルセラピスト/NLP認定マスタープラクティショナー/さいたま市生涯学習講師
通信制サポート高校などの教育業に20年以上携わり、不登校児の自立、自立支援や学習支援に取り組んできた経験を持つ。現在は「心サポートセンターKotodama」にて、「子どもの問題は、ママの問題につながる。だからママが笑顔になれば、子どもも元気になる」の信念のもと、子どもと母親のカウンセリングを行っている。