東京急行電鉄は30日、東横線渋谷~代官山間の地下化により創出された旧線路跡地を活用する「渋谷代官山Rプロジェクト」について発表した。計画地は「渋谷ストリーム」からつながる渋谷川沿い遊歩道の先に位置し、区道を挟む2つの敷地に2棟の建物(A棟・B棟)を整備する。今月着工し、2018年秋の開業をめざす。
東急東横線渋谷~代官山間は東京メトロ副都心線との相互直通運転開始に合わせ、2013年3月に地下化された。これにともない廃止された地上区間のうち、代官山駅付近の約220mは商業施設「LOG ROAD DAIKANYAMA(ログロード代官山)」となった。旧東横線渋谷駅周辺は高さ約180mの大規模複合施設「渋谷ストリーム」に生まれ変わり、その南側の渋谷川沿いに約600mの遊歩道を整備する予定で、2018年秋の開業を予定している。
「渋谷代官山Rプロジェクト」も2018年秋開業をめざし、「渋谷ストリーム」や渋谷川の整備と合わせて計画が推進される。旧東横線が大きくカーブし、JR山手線と交差していた区間の跡地が計画地とされ、プロジェクト名の「R(アール)」もカーブを表す記号が由来のひとつに。さらに「鉄道(Rail-Road)跡地を再生(Reborn)し、異文化・多世代をつなぐ(Relay)」との思いも込め、「渋谷代官山Rプロジェクト」と命名された。
2つの敷地からなる計画地のうち、東側のA棟には保育所が設置される。高さ12m、地上3階建ての建物で、定員は約100名。西側のB棟は高さ26m、地上7階建ての建物となり、全76室(予定)のホテルをはじめ、事務所や店舗が入る予定だ。待機児童対策や訪日外国人受入れといった地域のニーズに対応し、駅前とは異なる機能・用途を複合させた施設を整備することで、「広域渋谷圏における新たな都市機能を補完すると共に、多様な人々が集まることで地域独自の魅力創出に寄与し、世界へ渋谷の魅力を発信していく」としている。