ウルトラマンシリーズ最新作「ウルトラマンオーブ」の映画『劇場版 ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』が、3月11日より全国劇場にてロードショー公開される。

クレナイ ガイを演じる俳優の石黒英雄 撮影:大塚素久(SYASYA)

映画では、ウルトラマンオーブに変身する"さすらいの風来坊"クレナイ ガイをはじめ、怪奇現象追跡サイト「SSP」のナオミ、ジェッタ、シン、ビートル隊の渋川一徹、そしてオーブのライバルとなるジャグラス ジャグラーといったレギュラー陣が再結集するほか、美しいものすべてを宝石に変えてコレクションしようと企む宇宙魔女賊ムルナウが登場。

さらに、2015年にテレビで活躍した『ウルトラマンX』からウルトラマンエックスに変身する大空大地や、今年で放送開始50年を迎えた伝説のヒーロー『ウルトラセブン』に変身するモロボシ・ダンもスペシャルゲストとしてその勇姿を見せている。

本作では、凶悪な怪獣に対し、歴代ウルトラマンの力を借りて戦うウルトラマンオーブが、ウルトラマンエックス、ウルトラマンギンガ、ウルトラマンビクトリーとの「絆の力」で「オーブトリニティ」というまったく新しい姿にチェンジするのも大きな話題に。かつてないスケールで描かれる特撮アクション映画に挑むクレナイ ガイ役の俳優・石黒英雄に、ウルトラマンを演じるにあたっての心がまえや映画の見どころを聞いた。

――石黒さんは2005年に俳優デビューされて以来10数年のキャリアをお持ちですが、今ウルトラマンシリーズで「主演」を務めるということについて、どのような思いを抱かれていますか?

これまでさまざまな現場で経験を積み重ねてきた集大成というか、「ひとつの答えを出したい」という気持ちがありました。どんな作品でも、主役を務める方は、周りの役者とは動きが違うんです。先輩方のそういう部分を見て素敵だなと思って、自分が主役のポジションを務める際はどういう風に動けばいいか、芝居のアプローチの仕方を自分なりに意識して動くようにしていました。

――ウルトラマンオーブに変身するクレナイ ガイという人物は、型にはまらないスケールの大きな"風来坊"として描かれていますが、どのようにガイの役を作り上げようとされましたか。

まず脚本があって、そこから田口(清隆)監督をはじめとする演出家さんたちとともに、時間をかけて作り上げていきました。場合によっては柔軟に、変えるべきところは変えていったりもしました。最初に意識したのは、やはりウルトラマンですから「子どもたちに愛されるキャラクター」でなければいけないということです。子どもが真似したくなるような動き。例えばラムネを持っていたり、なにか子どもに愛着の湧くようなキャラ付けをしたいと考えていましたし、実行もしています。

――ガイは変身前でも強い能力を持っているという設定ゆえ、アクションシーンも頻繁にありましたね。

アクションについてはこれまでの作品でも経験があったので、問題はなかったです。ただ、撮影期間がタイトだったので、決まった時間内に撮りきらないといけないから、自分の中の情報処理能力、対応力を高めておかないと、と思って、かなり気を引き締めて臨みました。教えられた動きについて、入念に稽古をするというやり方ではなく、現場でアクションを付けていくスタイルでした。僕だけでなく、スタッフさんも大変だったと思います。

――お正月に東京ドームシティで開催された「ウルトラヒーローズEXPO2017」など、子どもたちと石黒さんが直接ふれあえるイベントがたくさんあったと思いますが、子どもたちのナマの反応をご覧になってどんなお気持ちになりましたか。

子どもたちの声援を聞くことができる、ウルトラマンをやってよかったと感じる瞬間です。僕(ガイ)がステージに出てくると、子どもたちがすごく喜んでくれて、敵に負けそうになると大きな声で「がんばれー!」って応援してくれてね。SNSで「うちの子は普段声が小さいのに、ガイさんとお会いしたときあんなに大きな声で、元気を出してくれました」とか、「ガイさんの言葉のおかげで、好き嫌いなく食べるようになりました」って、お母さんたちからお礼を言われたんですよ。子どもたちに愛されるキャラクターになりたいと思っていたのが、懸命にやってきたことで叶ったと実感しました。ガイの帽子やジャケットを着て、なりきってくれる子どもたちとか、うれしいですよね。結果が出せたと思って、ほっとしています。

――ウルトラマンオーブ、ガイさんに憧れる子どもたちの素直な反応はほほえましいですね。

「ウルトラヒーローズEXPO」では、6万人近くもの来場者があったそうです。ほかにも各地のショッピングモールでハイタッチ会とか、ステージショーとかに行きましたね。僕が観られる側ではありますが、僕のほうも客席の親子連れの様子をじっくり観ていました。お父さんとお子さん、顔がそっくりだなあとか、性格も親子って似るんだなあとか、観察していると、役者としても勉強になるんですよ。一人一人、ハイタッチの仕方とかも違いますしね。また、できる限り子どもたちと会話しようと心がけていました。