いくらお得になる? どう計算する?

では具体的に、スイッチOTC医薬品をいくら買うと、どれだけ税金が還付されるかを見ていきましょう。

課税所得400万円の人が対象医薬品を1年間に2万円分購入したとします。控除される金額は、2万円から下限額の1万2,000円を引いた8,000円。この8,000円に税率をかけた金額が減税額となります。課税所得400万円の人の所得税率は20%(復興特別所得税は考慮しない)ですから、8,000円×20%で1,600円。住民税率は10%ですから8,000円×10%で800円の減税額となります。

セルフメディケーション税制の仕組み

減税額がいくらになるのかを簡単に知りたい人は、日本一般用医薬品連合会の特設ページに簡易シミュレーションがあるので利用してみるのもいいでしょう。

どうやって還付を受ける? 必要な書類や注意ポイントは?

セルフメディケーション税制の特例を受けるためには、対象となる年の翌年3月15日までに、住所地を管轄する税務署へ確定申告書を提出しなくてはいけません。この際に、購入した医薬品の必要事項を記載した領収書(通信販売等で購入した場合、自宅のプリンターで出力したものは不可)と健康診断などを受けたことを証明する書類の添付が必要です。

注意点としては、医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できないこと。控除額を計算し、有利な方を選択する必要があります。また確定申告をすると、ふるさと納税のワンストップ特例制度の手続きが無効になります。利用している人は、ふるさと納税の還付申告をすることも忘れずに。


鈴木弥生
編集プロダクションを経て、フリーランスの編集&ライターとして独立。女性誌の情報ページや百貨店情報誌の企画・構成・取材を中心に活動。マネー誌の編集に関わったことをきっかけに、現在はお金に関する雑誌、書籍、MOOKの編集・ライター業務に携わる。ファイナンシャルプランナー(AFP)。