アクセラなどに搭載した新技術も導入

ハンドリングはまず、ステアリングのダイレクトかつスムーズな反応が印象的。ステアリングギアボックスの固定ポイントを変えるとともに、ブッシュを使わずに固定したことが効いているようだ。

続いて車体が素直に向きを変え、コーナーに入っていく。旧型のディーゼルエンジン搭載車で感じたノーズの重さは気にならなかった。

こちらはアクセラやデミオなどに続いて採用した「G-ベクタリング コントロール」、つまり路面状況や走行状況に合わせてエンジントルクを微妙に制御することで、滑らかな曲がりを実現する技術のおかげだろう。

車速追従機能付きクルーズコントロールが停止まで作動するようになり、LEDヘッドライトは対向車周辺だけロービーム、それ以外をハイビームとすることで夜間走行時の視認性を高める機構が採用されるなど、予防安全装備もレベルアップしている。

あらゆる面で深化したCX-5

数字では測れない深化の深さ

デザインが激変したわけではなく、プラットフォームやエンジンが一新したわけでもない。新型CX-5の深化は数字に表すことができない部分が多いので、伝わりにくい部分があるかもしれない。その点では斬新なスタイリングと新世代プラットフォームを採用したC-HRのほうがインパクトはある。

しかしマツダの新世代商品群はこれまでも、スカイアクティブテクノロジーや魂動デザインといった数字に表しにくいポイントを主役に据えながら、多くのユーザーから支持されてきた。美しい形と走る歓び。人の気持ちに訴えたクルマづくりが評価されたのだ。

その路線を受け継いで、深化を目指した新型CX-5。今回もまた、クルマ好きの心を揺さぶる、いいクルマに仕上がっていた。