続々と登場した日本メーカーのSUV

すでに日産はルノーとアライアンスを組んでおり、他の日本のメーカーより欧州事情に明かるかった。現地で根強い人気を得ている欧州メーカーのハッチバックに対抗するため、日産は経験の長いSUVという新しい魅力で勝負すべきだと決断。こうして2007年にデュアリス、2010年にジュークが生まれ、いずれも大ヒットに結び付けた。

日産「ジューク」

この頃には日本でも、オフロードを走らないからSUVはいらないという意見は少数派になり、ファッショナブルなデザインに惹かれて選ぶ人が多くなりつつあった。それに対応して日産以外のメーカーも動き出した。

スバルは2012年に「インプレッサ」をベースとして車高を高め、アウトドアファッションをまとった「XV」を送り出し、マツダは同年、スカイアクティブ・テクノロジーと魂動(こどう)デザインという新しい思想を取り入れた「CX-5」を発表している。

マツダ「CX-5」

翌年にはホンダが、フィットのプラットフォームやパワートレインを用いた「ヴェゼル」を発売。ヴェゼルはこのクラスのSUVとしては初のハイブリッド車を用意し、ジュークに匹敵する大胆なデザインを取り入れたことなどが受けて、2014年から2016年まで、国内SUV新車登録台数でナンバーワンの座を維持し続けている。

ホンダ「ヴェゼル」

その後も2015年にはマツダ「CX-3」、そして昨年末には、RAV4以来沈黙を守っていたトヨタがC-HRを送り出すなど、もっとも活気のあるカテゴリーのひとつになっている。