日本政策金融公庫は1月30日、「教育費負担の実態調査結果」(2016年度)を発表した。調査は8月9日~23日、25歳以上64歳以下の男女かつ高校生以上の子供を持つ保護者4,700人を対象にインターネットで行われた。

入学費用は高校43万円、大学98万円

入学先別にみた入学費用

子供1人当たりの入学費用は、高校が43.3万円、高専・専修・各種学校が62.5万円、短大が80.4万円、大学が98.0万円という結果に。私立大学は理系で120.1万円、文系で95.9万円、国公立大学は79.7万円だった。

年間在学費用は高校74万円、大学152万円

在学先別にみた1年間の在学費用

子供1人当たりの1年間の在学費用は、高校が74.7万円、高専・専修・各種学校が121.1万円、短大が147.7万円、大学が152.4万円。国公立大学は101.3万円、私立大学は理系で189.9万円、文系で149.8万円となっている。

高校~大学で必要な入在学費用は975万円

大学卒業までに必要な入在学費用

入学費用と在学費用を累計すると、子供1人当たりの費用は、高校3年間で267.4万円。大学に入学した場合707.6万円が加わり、高校入学から大学卒業までに必要な入在学費用の合計は、975.0万円(前年調査899.4万円)となる。

高校卒業後の入学先別にみると、私立大学に入学した場合の累計金額は、文系で962.5万円、理系で1,147.1万円となるのに対し、国公立大学では752.3万円となっている 在学費用の負担 -世帯年収に占める在学費用の割合は16%-

在学費用は世帯年収の16%

世帯年収に占める在学費用(子供全員にかかる費用の合計)の割合は、平均16.1%。分布状況をみると、負担割合「10%以上20%未満」(35.0%)が最も多くなっている。

自宅外通学者のいる世帯の割合は、全体の26.5%。自宅外通学を始めるための費用(アパートの敷金や家財道具の購入費など)は、入学者1人当たり平均41.9万円。入学費用と自宅外通学を始めるための費用の合計は、入学者1人当たり平均134.3万円となっている。分布をみると、「100万円未満」(44.3%)が最も多くなっている。自宅外通学者への仕送り額は、年間平均145.1万円(月額12.1万円)だった。

教育費の捻出方法(何らかの対応をしている世帯)は、「教育費以外の支出を削っている(節約)」が28.2%と最も多く、以下「預貯金や保険などを取り崩している」(22.1%)、「子供がアルバイトをしている」(19.6%)と続く。節約している支出は、「外食費」が58.1%と最も多く、以下「旅行・レジャー費」(58.0%)、「衣類の購入費」(41.5%)が続く。

親の平均世帯年収は国公立大学863万円、私立大学923.6万円

子供の在学先別にみた世帯年収状況

子供の在学先別に親の平均世帯年収をみると、「国公立高校」は717.9万円、「私立高校」は898.7万円、「高専・専修・各種学校」は713.0万円、「短大」は951.3万円、「国公立大学」は863.0万円、「私立大学」は923.6万円だった。「私立高校」「短大」「私立大学」において「世帯年収800万円以上」の割合が半数を超える。