JR東海は21日、東海道新幹線へ新型車掌携帯端末を導入し、これを契機に車内業務を見直すと発表した。新型車掌携帯端末は2018年3月に1,260台を導入予定。あわせて安全性やサービスを向上させた効率的な業務体制の構築にも取り組むとしている。

東海道新幹線に2018年3月から新型車掌携帯端末が導入され、これを契機に車内業務の見直しも行われる

5代目となる新型車掌携帯端末はマルスシステムと連携し、発券・案内機能が充実して車掌から乗客へのきっぷ発券・乗換案内にかかる時間が短縮される。情報配信機能も強化され、災害などでダイヤが乱れた場合も文字情報や写真情報、乗客への案内文などのデータが端末へ直接送信され、迅速かつ正確な案内が可能となる。タッチパネルの大型画面となり、JR東海の専用回線(デジタル列車無線)と携帯電話回線(LTE回線)を併用できるしくみを採用することで、異常時も含めた通信安定性が確保される。

新型車掌携帯端末の導入に合わせて車内業務も見直される。同一職場の運転士・車掌でクルーを構成して連携強化を図り、パーサー(ジェイアール東海パッセンジャーズ社員)の役割を拡大して車内巡回の強化や異常時対応力の向上に取り組む。

車掌・パーサーの基準乗組み数は見直しとなり、東京~新大阪間「のぞみ」「ひかり」はともに車掌2名・パーサー2名に変更(現在の基準乗組み数は「のぞみ」車掌3名・パーサー2名、「ひかり」車掌3名・パーサー1名)。車内巡回の重点区間を設定し、利用状況に応じて柔軟に乗務員を増配置して異常時対応力やサービスの向上を図る。

また、育児などの理由で勤務時間に制約のある社員に関して、短区間の巡回担当業務をはじめ、多様な働き方を実現していくとのこと。JR東海は12月21日に各労働組合へ東海道新幹線の車内業務見直しに関する提案を行い、詳細は今後協議するとしている。