マクロミルはこのほど、「終活」についての調査結果を明らかにした。同調査は11月18日~19日、60歳~79歳の男女1,000人を対象にインターネットで実施したもの。
「終活」という言葉の認知を尋ねたところ、79.5%が「知っている」と回答した。
今回の調査では、人間が人生の最期を迎えるにあたって行うさまざまな準備やそこに向けた人生の総括のことを「終活」と定義している。具体的には、葬儀や墓の準備、生前整理、財産の相続を円滑に進められるために計画を立てておくことなど。
最近では終活を、「人生のエンディングを考えることを通じて自分を見つめ、"今"をよりよく、自分らしく生きる活動」のことを指す場合もあるとのこと。
「終活」についての定義を説明したうえで、実施状況について尋ねたところ、「すでにやっている」は8.9%、「近いうちに始めようと思っている」は8.5%、「時期が来たら行いたいと思っている」は56.2%だった。合わせて約74%が、「終活」に関心を持っていることがわかった。
「終活」を行っている・行おうと思っていると回答した人にその理由を尋ねると、最も多い回答は「家族に迷惑をかけたくないから」(70.7%)、2位は「病気やけがなどで寝たきりになったりした場合に備えて」(40.4%)、3位は「自分の人生の終わり方は自分で決めたいから」(31.5%)だった。
男女別で見たところ、「これからの人生をよりよく生きたいから」「病気やけがなどで寝たきりになったりした場合に備えて」は女性が男性より5ポイント高い結果となった。
「終活」を行っている・行おうと思っている人に、「終活」の内容について聞いたところ、56%が「これまでの人生でやり残したことを行う」と答えた。
全員に「人生でまだやり残したことがあるがあるか」と尋ねたとこころ、59.5%が「ある」と答えた。具体的にやり残していることを聞くと、圧倒的に多かったのは「旅行」に関連する内容で、「世界一周」「海外旅行」「夫婦で旅行」などだった。次いで多かったのは、「子どもの結婚」「孫の成長を見届けたい」など、子どもに関することだった。
「終活」について自由回答で答えてもらったところ、「父親が亡くなったとき使えない物、役立たない物等がとても多くて義理妹と大変な思いをして片付けた。私物は片付けてしまおうと思った」(66歳、女性)など、 残された人に迷惑をかけないために、生前に整理・片付けをしようと考えているという声が寄せられた。
また、「着々と終活を進めて来たつもりでしたが、老後資金の絶対的不足で頓挫しています。死ぬことにもお金がいることを痛感しています」(62歳、女性)、「子供から生前贈与など、相続についての問題提起があり、終活を進めるきっかけになった」(72歳、男性)など、終活に金銭の問題がからむケースがあることもわかった。
中には、「終活は悲しい言葉に感じる。周りに迷惑をかけないようにしておく事も大事だけど、私は66歳でも夢もあるし、同級生達と旅行や遊びに行くので、自分と同世代の方々がテレビなどで終活していますなんて聞くと驚く」(66歳、女性)など、終活にあまり興味がない人の意見もあった。