マネックス証券は11月14日、トレードステーション公式ガイド出版発表会を開催した。

発表会では、AMEMIYAさんによるオリジナルソングが披露されたほか、『億トレーダーになるための投資戦略を考えよう』をテーマにしたトークショーが開催された。

AMEMIYAさんと杉原杏璃さんのセッションの様子はこちらから(画像クリックで記事にジャンプ)

億トレーダーの売買ルールとは?

トークショーの登壇者は杉原杏璃さんと、トレーダーのテスタさん、けむ。さん、カグラさんの4名。テスタさん、けむ。さん、カグラさんはそれぞれ"億超え"の資産を持つ著名トレーダーだ。このレポートでは、それぞれが語った投資のルールなどについて紹介する。

Q. 株の動きを把握するコツを教えてください

テスタさん「投資では変わり目をみるのが難しいもの。『リーマンショック』もそうでしたが、大きな出来事というのは何日か経ってから名前がつけられます。名前がついていない段階から警戒して、大事になる可能性を考えて行動する。それが一番先に気づくコツです」

杉原さん「今回のアメリカ大統領選では、選挙日前からビビって手じまいしてしまいました(笑)。フタを開けてみると、そんなに慌てることはなかったかも。もう少し粘っておけばよかったなと思います」

けむ。さん「杉原さんはリスク管理という面では正しいと思います。自分の場合は、今回取れなくても、次回に稼げるように敗因を調べます。大きく減らさないことが兼業トレーダーには大事なのではないでしょうか」

テスタさん「僕らはデイトレーダーなので、いつもリアルタイムで見ていられます。それができる人とできない人では戦略は変えるべきです。失敗しても、経験として積み上げることが重要です」

けむ。さん(写真左)2004年より予備知識0で株式取引を開始。板読みトレード(チャートを見ずに板の動きだけで売買する超短期売買)をメインに資産を伸ばす。
カグラさん(写真中央)大学在学中に資金250万円で株式投資開始。アベノミクス相場で資産1億円を突破した。
テスタさん(写真右)2005年よりデイトレーダーに。資金800万円からスタートし、10年で10億円を達成した。

Q. 独自の売買ルールはありますか?

テスタさん「含み損では持ち越さないとか? いろいろありますが、頭で考えるルールというより、それを体が覚えているレベルにならないと駄目ですね。あとは人生設計とかを考えて、死ぬまであればいい額をキープしておくこと。何が起こっても破産しないように注意しています。お金の管理が重要ですね。長いこと投資を続けようと思うと、一撃で飛ばしたら意味がないですから。何が起こっても、勝ち続けること。大きく負けないこと」

けむ。さん「ルールは作りません。『ルールだから』といって思考停止するのは良くないですね。『どうするべきか』を考えて決断しないといけない。ただ、1銘柄につぎ込まないなど、一発で資金を飛ばさないようにだけは気をつけています」

カグラさん「先物をやっていると飛ぶ額がすごいんです。なので、マイナス200万円になったら、『自分が間違っていた』と認めてリセットします。破産をしないような管理をする。次に出直せる体力を残しつつ、一度冷静になることですね」

杉原さん「私はそんなに厳密に決めているルールはないですね。欲張らずコツコツとやっています」

けむ。さん「資金の圧迫もありますし、デイトレーダーは体力的にも徐々にきつくなります。前は30秒の売買を1日200回やっていたのですが、今は5~10分ぐらいの軸が増えてきました。この頻度でやっていると、勝った負けた勝った負けたの連続なのでメンタルをやられてる暇がありません(笑)。『取り返さなくちゃ!』とはならない。やるべきことをやって、負けたならしょうがないと割り切る。大負けしたときほど、学ぶことは大きいので、なぜうまくやれなかったかを考えます。怒っている暇はないですね」