10月29日公開『映画魔法つかいプリキュア!奇跡の変身!キュアモフルン!』の完成披露試写会が23日、東京・お台場シネマメディアージュにて開催された。朝日奈みらい/キュアミラクル役の高橋李依、十六夜リコ/キュアマジカル役の堀江由衣、花海ことは/キュアフェリーチェ役の早見沙織、モフルン役の齋藤彩夏とテーマソングを担当する渡辺麻友が登壇した。

左から早見沙織、高橋李依、渡辺麻友、堀江由衣、齋藤彩夏

当日の試写会は二部構成で組まれており、声優陣と渡辺麻友が劇場版の見どころを語り、映画を楽しみに待つ子どもたちに笑顔の魔法をかけていった。第一部「完成披露試写会イベント」には、作中にも登場するクマのぬいぐるみ・モフルンに併せて、全国のご当地クマキャラクターたちが応援に駆けつけ、本作を一緒に盛り上げた。

まずは映画について、高橋が「早く『魔法つかいプリキュア!』の単独映画をみんなに届けたいと思っていたので、うれしく思います!」と笑顔でコメントする。続いて堀江が「本当に素敵な映画が完成して、私たちもうれしいです。たくさんの方に見ていただきたいなと思っています」とアピール。さらに、早見が「皆さまの前にかわいいキャラクターたちと共にご挨拶することが出来てうれしく思います」と喜びをあらわにした。

今作のキーパーソンでもあるモフルン役の齋藤は「本日、この場には来られなかったスタッフさんたちの想いが詰まった映画が完成しました。たくさんの人たちに見てもらいたいと思っています」と、共に制作に携わった仲間たちの気持ちを代弁する。そして、渡辺は「今回、『映画 魔法つかいプリキュア!』のテーマソングを担当させていただきました。本作をたくさんの人に見て、楽しんでもらいたいと思って歌いました」と作品を盛り上げたい意気込みを述べた。

質疑応答のコーナーでは、メインキャストの高橋と堀江が映画の見どころについて語っていく。高橋は「アニメ本編でも、みらいとモフルンの友情が描かれるシーンはあったのですが、単独映画という1つのお話の中で、りこ、はーちゃんにも同じような場面があると感じました」と本編のストーリーを明かす。堀江は「事前に台本チェックをしていたときに、大人にも関わらず3回も泣いてしまいました。こんなに素敵な作品が劇場で公開されるなんて、うれしく思います。子どもだけでなく、大人にも楽しんでいただける内容だと思うので、親子だけでなく多くの方に見ていただきたいです」と心境を語った。

また、渡辺は劇中で起用されているテーマソング「正しい魔法の使い方」について、「プリキュアシリーズは幼いころから見ていた大好きな作品だったので、映画の中で自分の歌が流れるなんて夢みたいでした。曲に合わせてキャラクターたちが踊ったり、動いたりしているのを見て、ホントにうれしかったです。このシーンをたくさんの人たちにぜひ見ていただけたらなと思います」と、幼いころから憧れていた作品にアーティストとして携われたことを、大満足の笑顔で回答する。

そして、全国のご当地クマキャラクターたちと一緒にステージに立って交流する姿を披露。特に渡辺は埼玉県出身ということもあり、秩父市のイメージキャラクター・ポテくまと友情を深める光景を見せる。渡辺からのご指名に、思わず近づき頭をなでてもらうポテくまの姿に、愛くるしさと癒しを感じてしまう人も少なくなかった。

その後、第二部「完成披露親子試写会の舞台挨拶」へ移行し、映画を楽しみに待つ子どもたちの前に笑顔で登場した5人。舞台挨拶のステージでは、本作のストーリーのポイントでもある"大切なモノ"についてピックアップされ、キャストメンバーが大切にしているモノについて質問された。

早見は「子どものころに母が作ってくれた枕カバーです。当時のサイズなので、今は枕元に置いているだけですが大切にしています」と話す。齋藤は「母が私の成長を記した"彩夏新聞(自称)"です。今でもアルバムの中に大切にしまってあります」と、それぞれの親子の絆ともいえるエピソードを教えてくれた。そんな中、渡辺は「私はドライアイだから目薬が手放せないです。視覚がクリアになる魔法のような存在です!」と、予想外な"大切なモノ"を語り、客席から笑いを起こした。『プリキュア』シリーズのテーマにつながる思い出や、ちょっと面白い小ネタのようなトークで会場を朗らかな雰囲気に変えて、参加した親子たちを笑顔にする魔法をかけるという、素敵な演出で舞台挨拶を終えた。

最後は、劇場に全国のご当地クマキャラクターたちとプリキュアたちが登場し、映画を楽しみに待つ親子とのフォトセッションで締めくくられた。気付いたら、劇場内は映画に対する楽しさとは違う笑みであふれている。それは、子どもたちがキャストメンバーたちに向けて自ら話しかけようとする様子だった。子どもたちは「キュアミラクル!」「キュアマジカル!」と、キャストたちに対してキャラクター名で呼びかけている。それはきっと、キャスト全員が子どもたちに、"楽しんでもらいたい"という想いを伝えようとしたからではないだろうか。キャラクターに命を吹き込む声優たちの気持ちが、子どもたちの心に響いたからではないだろうか。

キャストたちと劇場に集まった子どもたちとの間に結ばれた絆を、"笑顔"という形で見せてくれたのだと思う。『映画 魔法つかいプリキュア!』には子どもたちだけでなく、大人の心も揺り動かす重要なテーマが隠されているかもしれない。

撮影:野島亮佑