フリーホラーゲーム『青鬼』のTVアニメ版・劇場上映版の製作発表会が9月30日、都内で行われ、ひろし役の逢坂良太、みか役の喜多村英梨、たくろう役の水島大宙、たけし役の森嶋秀太、TVアニメ監督の前田地生氏、EDテーマを担当するマチゲリータが登壇した。

左からマチゲリータ、森嶋秀太、逢坂良太、水島大宙、喜多村英梨、前田地生監督

『青鬼』とは「noprops」がRPG制作ソフトの『RPGツクール』にて開発したフリーホラーゲーム。2004年にインターネット上で公開されてから、ニコニコ動画をはじめとする各動画サイトにて、プレイ動画や実況動画などが投稿され続けた注目作品だ。10月2日よりTVアニメ『あおおに ~じ・あにめぇしょん~』が放送開始され、2017年には劇場アニメ『青鬼 THE ANIMATION』が公開予定。

TVアニメ版『あおおに ~じ・あにめぇしょん~』PV


TVアニメ版『あおおに ~じ・あにめぇしょん~』は、町はずれにある無人の洋館に足を運んだひろし、たくろう、たけし、みかの4人が、館に現れる奇妙な化け物"あおおに"から逃れるために試行錯誤するストーリー。建物から脱出するために、謎を解きながら生還ルートを導き出すコメディ作品だ。開始早々に放送されたプロモーションムービーを見た限りでは、ゲームでのホラー要素を感じなかったが、キャストはどのように感じ取ったのだろうか。

ひろし役の逢坂は「動画を見ていて作品自体は知っていましたが、アニメのオーディションを受けたとき、自分の知っている作品と違うことに驚きました」とゲームとアニメの展開の違いについて驚きをあらわにした。たくろう役の水島「『青鬼』の知識がなかったので、ゲームとTVアニメ版の資料を渡されたときに、どっちのキャラ設定で演じればいいのか分からなくなってしまったんです。そのとき、TVアニメのキャラクターで進めていきましょう、と言われて演出することができました」と、戸惑っていたことを告白する。

そして、本作唯一の女子キャラ・みか役の喜多村は「私は最初、配役に抜擢されないと思っていました。原作もほとんど知らない状態でオーディション資料をいただいたとき、配役は『私じゃないな』と思ったんです。でも、お声をかけていただいて、台本を読んだとき『たくろう』に思いを馳せている乙女らしさと、『あおおに』との絡みで描かれる『みか』の二面性にクリエイティブな演技を求められるのではないかと思って、収録に臨みました」とアフレコ時の心境を語った。

続いて、たけし役の森嶋は「たけしは見た目がヤンキーなんですけど、性格がヘタレなんです。オーディションのときもセリフで『ガタガタ』と言わなければならなかったので、酸欠になりそうでした」と演じるうえでの大変さをコメントした。また、演技の方向性に関して、前田監督から「僕はオーディションのテープを聞いていたから、アニメの作風に合わせてキャストの皆さんが早くしゃべらないといけないと感じてしまったかもしれません。本番では音響監督に任せていたので、僕からは特に指示を出すことはありませんでしたが、たけしにはヘタレを演じてほしいとお願いしました」と、キャストメンバーの演技について吐露する。

特別ゲストとして登場したエンディングテーマを担当したマチゲリータは「とにかく尖った音楽を作ってほしいと頼まれました。ですので、30秒の短い枠の中で、情報量の多い尖ったサウンドを作成しました。『青鬼』という作品自体は以前から知っていたのですけれど、『あおおに ~じ・あにめぇしょん~』というタイトルから音楽の考えを広げることが難しかったですね」と音楽制作での裏話を告げた。

劇場上映版『青鬼 THE ANIMATION』PV


その後、突然会場の照明が落とされ、メインモニターに劇場上映版『青鬼 THE ANIMATION』のプロモーションビデオが映し出された。ホラー感を漂わせる演出と一人称視点で進む映像、そして3D技術を駆使したアニメーションに、恐怖心が生まれる。劇場上映版の濱村敏郎監督から「今回の作品は、今までのゲームや実写劇場とは違った、『青鬼』をコンセプトにしたホラー・サスペンスになります。まったく新しい青鬼ホラーを是非ともご期待ください」とコメントが送られ、TVアニメとは一味違ったストーリーに期待が高まった。

ゲーム・アニメ・劇場版と、本編を知っている人にはもちろん、知らない人にも楽しめる盛りだくさんの内容となった『青鬼』製作発表会。ニコニコ動画に親和性のある作家たちが集結した本作に、果たしてどれだけの要素が詰まっているのか。放送日まで待ちきれない人は、今からでもゲームをプレイしてみてはいかがだろう。もしかしたら、本編を知っているからこそ楽しめる内容が見つけられるかもしれない。

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