目的を理解した上で貯蓄に励もう!

結婚、出産などにはまとまったお金が必要

人生にはお金のかかるイベントごとがめじろ押しです。結婚、出産、車の購入、家の購入、子供の教育などなど……。こういったライフイベントでは、まとまったお金がかかります。例えば、結婚式なら300万円程度、出産には50万円程度、子供の教育には一人あたり1,000万円以上などです。

ライフイベントにかかるお金は、日常生活の費用とは別にかかります。どれも高額で、すぐに用意できる金額ではありません。収入がよほど上がれば自然と貯まるかもしれませんが、普通は意識して計画的に貯めないとまず貯まりません。今後、いつどんなライフイベントがあって、どれくらいのお金がかかるのかをイメージし、そのために計画的にお金を準備することが大切です。

老後資金の準備は計画的に

誰にとっても大きな課題になるのが、老後のお金です。定年退職の年齢を60歳以降にしている会社もありますが、ほとんどの人が60歳代でリタイアを迎えます。特に、女性の平均寿命は約87歳。何と約30年間は年金収入だけしかありません。

受け取る年金の金額は、今受け取っている世代でも国民年金からの老齢基礎年金で年間約78万円、月に6.5万円です。お勤めの方は厚生年金に加入しているので、受け取る年金額がその分多いのですが、期待するほど多くはありません。

厚生労働省が想定するモデル世帯(40年間厚生年金に加入し、平均収入が厚生年金の平均収入と同額の夫、40年間専業主婦の妻がいる世帯)の将来受け取る公的年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額)は月に22万円です。お一人さまの場合には、より少なくなると考えられます。

老後に備えた貯蓄は、誰もが計画的にしておく必要があります。生活水準や寿命によっても異なりますが、夫婦でおおよそ3,000万円、お一人さまなら1,500万円は自分で用意しておきたいところです。退職金があればここから差し引いて考えますが、余り高額を望めないなら、自分で準備するつもりでいる方が安心です。

今は困らなくても、この先、お金が必要になるときは必ずやってきます。いざというときに慌てないように、ゆとりのあるうちに少しずつでも貯め始めておきましょう。

筆者プロフィール:加藤梨里
ファイナンシャルプランナー(CFP)、慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科 特任助教
保険会社、信託銀行を経て、ファイナンシャルプランナー会社にてマネーのご相談、セミナー講師などを経験。2014年に独立し「マネーステップオフィス」を設立。専門は保険、ライフプラン、節約、資産運用など。大学では健康増進について研究活動を行っており、認知症予防、介護予防の観点からのライフプランの考え方、健康管理を兼ねた家計管理、健康経営に関わるコンサルティングも行う。