熟成肉の中でも、「氷温熟成肉」というのをご存じだろうか。肉をすぐに調理せずに一定期間寝かせた「熟成肉」に対し、氷温熟成肉はその名の通り、0度から食材が凍り始めるぎりぎりの温度域「氷温域」で熟成させる肉だ。このほどオープンした「SHINAGAWA DINING TERRACE」(東京都港区)の中にある「CASUAL STEAK HOUSE RIB」では、この「氷温熟成肉」が気軽に楽しめるという。実際にどのような肉なのか確かめてきた。

「CASUAL STEAK HOUSE RIB」の「氷温熟成 USA産トモサンカク」(100g/税別1,800円)

そもそも肉の熟成は「乾燥熟成」と呼ばれる、湿度70%~80%の湿度帯と室温1度前後の温度帯を維持し、常に肉の周りに一定の風を吹かせる方法が一般的だ。この製法で肉の中の酵素が働き、肉の繊維をペプチドやアミノ酸に変化させることで、うま味を蓄えさせる。

一方の「氷温熟成」では、貯蔵する温度帯を「氷温域」に設定することで、肉が自らを凍らせまいと細胞の中にあるデンプンやタンパク質が分解され、アミノ酸や糖が増すという。これによって、肉のまろやかさとなめらかさを増した味わいを生み出せるとのことだ。

「松坂ポークの骨付きグリル」(税別1,600円)

堅苦しい話はここまでにして、早速食べてみよう。店舗で提供する「氷温熟成肉」は、「USA産トモサンカク(モモの希少部位)」(100g/税別1,800円~)と「USAブラックアンガス肩ロース」(100g/税別2,000円~」のステーキだが、今回は「氷温熟成肉」のうま味を実感できるよう、氷温熟成した牛肩ロースをローストビーフにしてもらった。鮮やかな赤色の肉は、しっとりとして甘い。舌触りが滑らかで、かむ力をほとんど必要としない。臭みはなく、赤身肉の風味が口いっぱいに広がった。

氷温熟成した肉は、しっとりして赤身のうま味をしっかりと感じられる

同店は熟成肉以外にも、「松坂ポークの骨付きグリル」(税別1,600円)、「骨付き鶏もも肉のマリネ」(税別1,400円)などのグリルメニューを用意している。

「CASUAL STEAK HOUSE RIB」の外観

なお、「CASUAL STEAK HOUSE RIB」の営業時間は、ランチ11時~15時(ラストオーダーは14時30分)、ディナー17時30分~24時(ラストオーダーは23時)となっている。