フジテレビ系の大型バラエティ特番『27時間テレビ』の季節がやってきた。30回目の節目となる今年は『FNS27時間テレビフェスティバル!』(23日18:30~24日21:24)と題し、例年とは異なるメインを立てない「MCリレー方式」を導入。"一年に一度、皆さんに笑顔をお届けする大感謝祭"と銘打ち、音楽フェスをイメージした構成となる。
このように大きくリニューアルを図る狙いは何か。濵野貴敏チーフプロデューサーに話を聞いた――。
――『27時間テレビ』のチーフプロデューサーを担当されるのは、今回が初めてと伺いました。いつ頃ご指名があったのですか?
昨年の秋くらいですね。
――そのときに、MCをメインで1組立てるのではなく、"リレー形式"にするというのは、もう決まっていたのですか?
いや、そこまでは決まっていませんでした。「新しい考え方で制作してくれ」という指示でしたね。
――それを受けて、今年はどのような『27時間テレビ』にしようと考えられたのでしょうか。
『27時間テレビ』は、もちろんバラエティの大きなお祭りですし、FNS系列各局の皆さんと協力していくという部分は変わらないですが、今年はより視聴者の皆さんに参加してもらって、一緒に番組を作っていくというイベント感のあるものにしたいと思い、タイトルに"フェスティバル"を付けました。そこからMCのタレントさんも、「オープニングアクトはこの方!」というような、音楽フェスに次々登場するアーティストの感じで、リレーしてつながっていく形になりました。最初からMCリレーにしようと決めたのではなく、みんなが参加するというアイデアの集積によって、こういう形に仕上がったという感じですね。
――『27時間テレビ』は過去にも、MCがリレー形式の回がありましたが、当時は『FNSオールスターズ』とタイトルが付いていたと思います。「オールスター」だと視聴者は見る側という意識が強いですが、今回は"参加する"というのが、これまでと違う「新しい考え方」なんですね。
そうですね。当時とは、制作側と視聴者との関係も変わってきていますし、もちろん今のフジテレビの視聴率の状況なども踏まえ、見せ方を考えています。その中で、「FNS27時間フェス実行委員会」として、陣内智則さんや指原莉乃さんといった、今までメインMCを張っていた方たちよりも世代の若い人たちが、番組全体を支えるという形をとりました。彼らが、明石家さんまさんや内村光良さん、中居正広さんといった先輩たちに「僕らも頑張りますので、ぜひ一緒に頑張りましょう!」と巻き込むことで、世代が少し進んだという印象にもなればと思っています。
――とはいえ、番組の顔になるメインのMCがいないと、27時間の"縦"の流れが見えないのではないか、という懸念もあります。
そこは、実行委員のメンバーが支えるのはもちろんなのですが、むしろ今年は例年に比べて"縦"の企画が多くなっているんです。系列局を巻き込んだ通し企画は、通常1つだったのですが、今年は「FNS全国高校生スーパーダンク選手権」と「FNS全国そっくりキャラ選手権」の2つをやっていきます。
さらに、ナオト・インティライミさんが27時間歌い続ける「みんなと一緒に100曲歌うフェス」や、Hey! Say! JUMP・伊野尾慧さんの「超めざましじゃんけん」、AKB48が視聴者の愛の告白を応援する「AKBの中心で愛を叫ぶ 告れメッセージフェス」など、"縦"の流れを意識した企画は、今までよりも数としては多いですね。