日頃、お世話になっている方に、贈り物を通して感謝の気持ちを伝える「お中元」。日本に古くから伝わる慣習のひとつとして、皆さんもご存じだろう。デパートの特設コーナーやネットショップのお中元特集など、お中元商戦も盛り上がっている様子だが、一方で、最近では、贈り物のやりとり自体を自粛する企業も出てきているらしい。そこで、マイナビニュース会員1,000人に聞いてみた。お中元って贈ってる? 必要な文化だと思いますか?
Q.毎年、お中元を贈っていますか?
はい 20.4%
いいえ 79.6%
Q.お中元は必要な文化だと思いますか?
必要 32.8%
必要ではない 67.2%
必要派
・「お歳暮と合わせて数少ないコミュニケーションの機会。年をとってくると大事にしたい慣習」(62歳/既婚女性/専業主婦)
・「面倒くさいと思うこともあるが、人と人をつなぐ良いきっかけになると思う。無理しない程度に続けていきたい」(32歳/未婚男性/教育/専門職関連)
・「付き合いを続けていくのは必要なことだと思う。何も用がないと連絡を取りづらいが、お中元の時期に電話をかけたりして、会話も生まれる」(27歳/既婚女性/専門店/販売・サービス関連)
・「たまにしか会えない大切な方に、感謝の気持ちと忘れていないですよという気持ちを届けたいから」(47歳/未婚女性/ソフトウェア・情報処理/IT技術関連)
・「社会人として、周りの人、特に目上の人に好意を持たれる様に行動する事は、社会全体の調和と利益になると思う」(35歳/未婚男性/フードビジネス(洋食)/販売・サービス関連)
・「相手にお元気ですかと尋ねるあいさつ」(24歳/未婚男性/フリーター)
・「気遣いのあるおしゃれな文化だと思う」(29歳/既婚女性/専門店/クリエイティブ関連)
・「日頃の感謝を物に込めて贈るという貴重な機会を大事にしたいし、日本の昔からの伝統文化なので、ぜひ今後も存続してほしい」(35歳/未婚男性/インターネット関連/クリエイティブ関連)
必要ではない派
・「何年かすると儀礼化してしまうが、やめたいと思ってもやめられず負担に感じる」(54歳/既婚男性/輸送用機器/技能工・運輸・設備関連)
・「毎回送られてくるのでお返しのつもりで送っているが、正直、金銭的につらい」(43歳/既婚男性/農業協同組合/公共サービス関連)
・「賄賂のような気がして、あまり良いイメージがない。今後はなくなっていくと思う」(25歳/未婚女性/食品/専門職関連)
・「贈答品は定期的に贈るものではなく、例えばおいしい物に出会ったとき、旅先であの人が喜びそうだなというものに出会ったときなどに贈る方が喜ばれると考えているから」(40歳/未婚男性/専門店/販売・サービス関連)
・「送りたいと思ったものを送りたい人に、送りたいときに送るのが一番心がこもっていてすてきだと思う」(28歳/未婚女性/その他)
・「わざわざお中元という機会を利用して物を送らなくても、自分のタイミングがあると思う」(39歳/未婚女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「何かお礼したいときは都度贈り物をすればいいし、お中元お歳暮などは一度贈ったら毎年贈らなければならないし、やめるタイミングも難しい。良くない慣習では?」(39歳/既婚女性/専業主婦)
・「もはや、贈りたいから贈るのではなく、贈られてきたから贈るとなっているから」(35歳/既婚女性/専業主婦)
総評
日本の慣習「お中元」。必要だと感じているのは、たったの32.8%という結果だった。
「必要」派の声は、「感謝の気持ちを伝えたい」というお中元本来の意味に加え、「普段は連絡をとらないが、大切な人とのコミュニケーションのきっかけとなる」という声がほとんどだったが、中には、「会社の上司やその家族に少しでも気に入られたい」というビジネスの場で役立てたいという声も見られた。
一方、今回の調査では多数派となった「必要ない」派の声をみてみると、「やめるタイミングがわからない」「慣習に頼るのではなく、感謝の気持ちは自主的に伝えるべき」「金銭的にキツい」と、主にこの3つだった。
「必要ない」派の圧勝となった今回の調査だが、意外なことに、世代別による意見の偏りはあまり見られなかった。
昔に比べ、親戚付き合いが希薄になってきているのか、それとも、インターネットの普及に伴い、離れた友人ともコミュニケーションをとりやすい環境になったからなのか、実は、以前からみんな「必要ないのでは? 」と考えていたのか……。
いずれにせよ、「お中元」の必要性を感じない人の数は、相当数いるようだ。
調査時期:2016年4月13日~2016年4月15日
調査対象:マイナビニュース会員
調査数:1,000名
調査方法:インターネットログイン式アンケート