エイビーロード・リサーチ・センターはこのほど、2015年に海外渡航をした18歳以上の男女を対象に、国際線エアラインの満足度調査を実施。シンガポール航空が2012年調査以来5年連続で総合満足度1位となる他、前回3位のANAが2位に、3位には前年15位から大幅にランクを上げたKLMオランダ航空が選ばれた。

「総合満足度」TOP20

調査は4月14日~19日にかけて、インテージ・ネットモニター(全国)より抽出した「18歳以上の2015年の海外渡航経験者(日本人・出発月が2015年である海外渡航)」7,227人(調査集計数は4,000人)に行った。なお、航空会社は40社を対象としている。

調査対象航空会社一覧(★は前回調査では調査対象外の航空会社、●はLCC)

「総合満足度」のトップは5年連続でシンガポール航空となった。回答者からは、「細かいところまで行き届いたサービスで、まさに一流の航空会社だと感じた」(30代・男性)、「食事、座席の広さ、客室乗務員の対応から」(40代・女性)などとコメントされている。

2位には前年よりワンランクアップしたANAが続き、「スムーズに搭乗でき、サービス、接客もよくストレスフリーだった」(20代・男性)などと評価されいている。3位には前回15位のKLMオランダ航空がランクインし、「乗り換えがスムーズだったし、機内もきれいで充実しており、係員の対応も良かったので」 (20代・女性)というコメントがあった。なお、前回2位だったJALは4位となっている。

ベスト3以下で順位を大きく上げたのは、7位のタイ国際航空(前年10位)、エールフランス航空(前年12位)、9位のオーストリア航空(前年21位)、10位のブリティッシュ・エアウェイズ(前年23位)、13位のキャセイパシフィック航空(前年18位)など。LCCは2015年度、17位にピーチ・アビエーションがランクインするなど、上位20位にLCCが2社選ばれていたが、2016年度はベスト20入りにはならなった。

「航空機の機材、設備」TOP10

「航空機の機材、設備」でも、シンガポール航空が2年連続で1位に選ばれ、「機内は寒いことが多いので防寒着を持ち込んだが、必要がないほど快適な温度を常にキープしていた。 座席も広く、寝返りがうてる」(40代・女性)などと評価されている。続く2,3位も前回同様、ANA、エミレーツ航空がランクインした。 そのほか、7位のKLMオランダ航空(前年14位)、オーストリア航空(前年16位)はいずれも前年圏外から大きく上昇している。

「客室乗務員の接客サービス」TOP10

「客室乗務員の接客サービス」では、前回2位だったANAが1位となり、2位は前回3位だったシンガポール航空、3位には前回1位だったJALが続いた。1位のANAに対して、「気さくに声をかけられる雰囲気を自然に作っており、距離感がいつも素晴らしいと思う」(50代以上・女性)などというコメントがされている。

「空港内の航空会社職員の接客サービス」TOP10

「空港内の航空会社職員の接客サービス」では、3年連続で1位にANAが選ばれ、「ロサンゼルス空港で乗り継ぎ便が遅れて羽田までの帰国便までの時間がギリギリだったのだが、ANAの職員がすぐに声を掛けてくれ搭乗口までの案内をしてくれ助かった」(40代・女性)などと評価されている。2位には前回3位のシンガポール航空、3位には前回4位のニュージーランド航空が続いた。

「機内飲食サービス」TOP10

「機内飲食サービス」では、前々回13位だったカタール航空が1位に躍進したが、2016年度はシンガポール航空(前回2位)が奪還した。「さまざまな事情の人に対応できるメニューが多数そろえられている。機内食は野菜が少ないか、あっても臭みがあったり硬かったり不満が多いなか、シンガポール航空はおいしく調理されていた」(40代・女性)というコメントもされている。2位にはエミレーツ航空(前回4位)、3位にはニュージーランド航空(前回5位)が続いた。

「機内エンターテインメント」TOP10

「機内エンターテインメント」は、エミレーツ航空が3年連続で1位になり、「日本各地の地方新聞が備えてあった。機内で勉強になった」(50代・男性)と評価されている。2位にはシンガポール航空(前回5位)、3位にはニュージーランド航空(前回6位)が選ばれている。

「コストパフォーマンス」TOP10

今回から新しく加わったコストパフォーマンスが高い航空会社ランキングでは、1位にカタール航空、2位にエミレーツ航空、3位にシンガポール航空がランクイン。

カタール航空に対して「チケットは安いが運航時間もしっかりしているし、サービスも良い」(50代・女性)、エミレーツ航空に対して「コスパ的に良好である。ヨーロッパへのダイレクトフライトに比べて、若干時間はかかるが、目的地(デスティネーション)によっては、エミレーツの利用の方が優れているケースが多そうである」(60代以上・男性)等とコメントがされているように、中東やアジアのエアラインが強い傾向があることがうかがえた。

2015年度調査結果はこちらを参照。