梅雨の湿気対策で、最も手軽で有効なのはエアコンだ。部屋の湿度はエアコンの冷房、または除湿(ドライ)モードで運転すれば、基本的には下がる。しかし、エアコンは消費電力が高く、電気代も気がかりだ。

サーキュレーターって、扇風機とは違うの?

そこで活用したいのが、送風によって部屋の空気を循環させる「サーキュレーター」。価格も数千円台のものからあり、特別な工事の必要もなく、サイズもコンパクトで場所を取らない。もちろん、電気代も格安だ。今回は、そんなサーキュレーターの基本的なしくみと、効果的な活用法を解説したい。

サーキュレーターと扇風機の違いは?

パッと見は扇風機とあまり変わらないサーキュレーター。しかし、風を発生させるという点では同じだが、両者はそもそもの用途が異なる製品だということをご存じだろうか。

まず扇風機だが、これは人に風を直接当てて涼感を得るための家電だ。そのため、風の届く距離はそれなりだが、周囲の広い範囲に風を送ることができる。自動で首振りする機能もそのためだ。また、風を人に当てるので風量の調整ができるのが基本で、就寝時の利用を想定してタイマー機能をもつものが多く、運転音も比較的静かなのが特徴。

対して、サーキュレーターは室内の空気を循環させることに特化した家電である。そのため、できるだけ遠くへ気流を送れるよう、風が勢いよく直線的に進むように設計されている。範囲が狭く風の勢いが強いため、人に当てて涼感を得るという用途には向かない。

サーキュレーターは、室内の空気を循環させることに特化している

ちなみに、消費電力そのものは両者に大きな違いはなく、どちらも1時間あたり平均1円前後だ。

部屋別・サーキュレーターの置き方

前述の通り、扇風機よりも風を遠くまで行き渡らせられるサーキュレーターだが、効果的に除湿するためには設置場所や角度などにちょっとしたコツがある。そこで、使用する場所別に効果的な使用方法を紹介したい。

■リビング
リビングでは、サーキュレーターをできるだけ部屋の中心部に配置し、送風口を真上に向けよう。こうすることで、風が天井に当たって跳ね返り、四方に分散して空気を効率的に循環させることができる。

リビングでは送風口を真上に

■寝室
寝室でもリビング同様、在室時は風が人体に直接当たらないよう、できるだけ天井や壁に向けて設置するのがいい。また、就寝前後にふとんに向けて風を当てて、中にこもった湿気を飛ばすのも有効だ。

在室時は天井や壁に。就寝前後にはふとんに風を当ててもいい

■バス&サニタリールーム
家の中でも特に湿気がこもりやすいバスルームやサニタリールームでは、使用後にサーキュレータを使って湿気を外に追い出してしまおう。窓がある場合は窓の方向に向けて運転するといい。窓がない密室空間の場合は、ドアの反対側の壁に向けて設置すると、たまった湿気を分散させられる。

バスルームやサニタリールームでも湿気対策に有効。窓がない場合はドアの反対側の壁に向けよう

■キッチン
火や水を使うキッチンも、蒸気などで湿気がこもりやすい場所だ。ここでは、換気扇のある方向に向けてサーキュレーターを設置することで、吸気効率をアップできる。

キッチンでは換気扇に向けると効率アップ

■クロゼット・げた箱
梅雨時はニオイが発生しやすいクロゼットやげた箱などの収納スペース。扉を開けて、正面からサーキュレーターの風を当てると効果的だ。

クローゼットや下駄箱にも、扉を開けて風を当てよう

次のページでは、エアコンや除湿機とサーキュレーターを組み合わせて相乗効果を生み出す方法について紹介しよう。