ここ数年、立ち飲み屋が急増している名古屋。長らく"立ち飲み不毛の地"とさえ言われてきたが、ビジネスマンから若い女性まで幅広い世代が立って飲む姿が街のあちこちで見られるようになってきた。そんな中から、今回は近年オープンした人気の立ち飲み屋を紹介しよう。

10人ちょっと入れば満員になってしまう「やまびこ」。今、名古屋で最も人口密度が高い空間かも?

立ち飲み・昼酒・横丁飲みができる「やまびこ」

繁華街中心部の穴場横丁、むつみ小路。右手前がやまびこ。他にもそそる店がいっぱい!

名古屋の立ち飲みブームに火をつけたのが2013年にオープンした「やまびこ」。狭い店内は10人余りも入るといっぱいで、連日連夜入りきらない客が通りにまではみ出すほど活況を呈している。

店があるむつみ小路はもともと風俗店が立ち並ぶ通りだったが、これが一掃され、飲食店街に生まれ変わった。海老バル、ホルモン専門店など個性的な店が並び、名古屋で今最も熱い飲み屋横丁となっている。メニューは立ち飲みでは珍しいイタリアン。パスタや自家製ピザから、地元産ジビエなどもある本格派ながら前菜350円~とリーズナブルだ。

昼3時から開いているのも、飲んべえにはうれしい。「立ち飲み」「昼酒」「横丁飲み」の醍醐味を楽しめる、名古屋に新たな酒飲み文化をもたらしてくれた新・名店だ。

●information
やまびこ
愛知県名古屋市中区栄3-8-102
営業時間: 15時~24時(23時半ラストオーダー)
定休日: 火曜日
アクセス: 地下鉄・栄駅より徒歩5分

利き酒コースが断然おトクな純米酒専門店「八咫 栄店」

全国の銘酒をセレクト。酒の特色に合わせてグラスも使い分ける

日本酒の中でも純米酒のみを扱う専門店「八咫」(やた)。ビル1階のガラス張りの店舗は立ち飲み屋らしからぬおしゃれな雰囲気だ。

大半の客が注文するという利き酒コース(60分2,000円)は、30~40銘柄の日本酒の中から、客の好みやつまみとの相性に合わせてオススメをチョイスしてくれるメニュー。1時間で7、8種類を飲み比べできるので、お得なのはもちろん、日本酒の味わいの幅広さや奥深さを知ることができる。

また、利き酒ならぬ利きじょうゆにもトライしてみよう。店内には地域ごとに仕込み方や味わいが異なる数種類のしょうゆが用意されていて、それぞれ刺し身やチーズと合わせて楽しめる。冷酒でちょっと体が冷えたら、だし風に、しょうゆを白湯(さゆ)で割って出してくれるサービスも。心も体も温まる。

ガラス張りのおしゃれな空間は立ち飲み店らしからぬ雰囲気

「日本酒に苦手意識のある人や、はやっているけど選び方が分からないという人は、ここでいろいろ試してみて自分の好みの酒を見つけてもらいたい」とオーナーの山本将守さん。ツウを満足させてくれるのはもちろんだが、日本酒の本格デビューを目指すビギナーにとっても、頼りになる上に敷居が低い。栄店のほか、名古屋市内では伏見店もあり、こちらは酒屋併設なので飲んで気に入った銘柄を買って帰ることもできる(新宿、渋谷、日本橋と東京にも3店舗あり)。

●information
八咫
名古屋市中区栄4-4-4栄メッツビル1階
営業時間: 15時~23時
定休日: 日曜日
アクセス: 地下鉄・栄駅より徒歩5分