スズキは18日、排出ガス・燃費試験における実態調査の結果を国土交通省へ報告したと発表した。国交省から指示を受け、調査を行った結果、燃費性能を偽る不正行為はなかったが、四輪車の排出ガス・燃費試験業務に関して、国土交通省が定める規定と一部異なる取扱いがあったという。

「アルト」「アルト ラパン」など16車種を対象に調査を行った結果、国交省の規定と一部異なる測定を行っていたことが判明したという

同社が現在販売している「アルト」「アルト ラパン」など、軽四輪車・登録車計16車種の走行抵抗の測定状況を確認したところ、「申請時には、惰行法により実測したデータではなく、惰行法実測値と比較し妥当性をみた上で、タイヤ、ブレーキ、トランスミッションなどの装置毎の転がり抵抗の実測値や風洞試験装置での空気抵抗の実測値を積み上げた走行抵抗値を使用していたことが判明」したという。

原因として、同社が所有する相良テストコースは海に近い丘の上にあることから、風の影響を著しく受けるなど天候に左右されるため、試験が困難であったことが背景にあるとしている。これに関して、昨今の低燃費技術の向上にともなう転がり抵抗の低下や車体の軽量化もあり、風による影響を受けやすく、測定結果のばらつきが大きくなる傾向にあり、データを取得するために何度も繰り返し測定を行う必要があったと説明している。

燃費値などへの影響としては、今回、すでに持っている惰行法による実測データに加え、惰行法による実測データを追加取得し、すべての申請値と惰行法実測値の関係を改めて検証したという。その結果、すべての申請値が惰行法による実測値の測定誤差の範囲内であることを確認したとしている。

そのため、申請した走行抵抗値や、これをもとに測定した燃費値は修正の必要はなく、排出ガス性能についても保安基準に適合しており、問題はないと考えていると同社。なお、海外について本件は関係なく、業績予想に与える影響も現時点ではないとしており、今後、業績予想の修正が必要とされる場合には速やかに開示するとしている。