あわただしい毎日、「たまにはのんびり過ごしたい……」「その上、温泉にもつかれたら最高……」。そう思ったことはないだろうか。「休みが取れない」「費用がかかる」などの理由で温泉地への旅行をためらっている人にオススメしたいのが、兵庫県の有馬温泉(神戸市北区)だ。有馬温泉は、「日本三古湯」のひとつに数えられる歴史の古い温泉地。老舗の旅館や料理旅館も多いが、気軽に利用できる立ち寄り温泉も豊富で、日帰りでもたっぷり楽しめる。
登山鉄道で"関西の奥座敷"へ
有馬温泉は"関西の奥座敷"と言われているが、実はアクセスのしやすい温泉地だ。神戸市の中心地である三宮から、市営地下鉄と神戸電鉄を乗り継いで約40分も電車に揺られれば、神戸電鉄「有馬温泉駅」に到着する。ちなみに、有馬温泉に向かう神戸電鉄有馬線は、西村京太郎の小説にも登場している。勾配を登るいわゆる「登山鉄道」だ。ほかにも、大阪市内からは直通バスが出ているので、こちらを利用するのもいいだろう。
冒頭でも述べたとおり、有馬温泉は、『日本書紀』にも登場するなど古くから多くの人々に愛されている温泉だ。豊臣秀吉が戦の疲れを癒やすため、何度も湯治に訪れたことは有名な話。"太閤"秀吉やその正室であった"北政所"ねねにちなんで、有馬川には「太閤橋」や「ねね橋」が架かる。そのほか「ねね像」など、秀吉ゆかりの名所があちこちに見られる。
源泉かけ流しの「金泉」で一息
有馬温泉の湯は、鉄分を含んだ茶褐色の「金泉」、二酸化炭素泉で無色透明の「銀泉」の2種類。公共の立ち寄り湯のほか、立ち寄って入浴できる旅館の温泉もある。詳しくは町の中心部にある有馬温泉観光協会で尋ねてみよう。
今回は、神戸市直営の公共浴場である「有馬本温泉 金の湯」を訪れた。ここでは、源泉かけ流しの「金泉」を楽しめる。また、無料の飲泉場や足湯も備えている。入泉料は650円で、定休日は第2・第4火曜日となっている。