俳優のディーン・フジオカが13日、NHK大阪放送局で行われた主演ドラマ『喧噪の街、静かな海』(平成28年度内放送予定)の取材会に出席した。

NHKドラマ『喧噪の街、静かな海』の取材会に出席した、(左から)久保田紗友、ディーン・フジオカ、寺尾聰

同局で収録されていた連続テレビ小説『あさが来た』の五代友厚役でブレイクしたディーンは「帰ってきました、大阪」とあいさつを。今作は大阪市内をメーンにオールロケで撮影が行われているとあり、「大阪は大好きなので戻ってこられてうれしい。一番好きなのは大阪の"人"。気持ちを真っ直ぐにぶつけてくれる。街のみなさんも撮影にすごく協力していただいて、大阪に感謝です」と思い入れの深い街への凱旋に笑顔を見せた。

ディーンの役どころは、幼いころに父親と生き別れた過去を持つカメラマン。その父が大阪で精神科のクリニックを営みながら、行き場のない若者たちに声をかけるボランティアをしていると知り、素性を隠して近づく。

父親を演じる寺尾聰は「10代、20代で脚光を浴びる俳優は多いけど、30代で出てくる俳優はなかなかいない」とディーンに注目していたとか。「僕は30代になったころ、俳優としてうまくいかなくて、体を悪くしたついでに34歳で出したのが『ルビーの指輪』ってやつで(笑)」と自身と同じく30代半ばで飛躍のきっかけをつかんだディーンに共感を覚えているよう。「繊細に見えるけど、実際に会ってみると骨太。人に見せていない“蓄え”がいっぱいある。これからどんな俳優になっていくのか楽しみ」と期待を寄せていた。

そんな寺尾から「いろんなことを教えていただいている」というディーンは「かけてくださる言葉がとても貴重で、毎日が鳥肌モノです」と大先輩との共演に感激しきり。「『ルビーの指輪』は自分の親が聞いていたのを覚えていますし、昨日も『本人が隣にいる!』って感動しながらネット動画で聞きました(笑)」と興奮気味に明かし、笑わせる一幕も。そんなディーンも音楽活動を行っているとあり、寺尾は「音楽のできる俳優は、俳優として持っていなきゃいけないものをベースに持ってる。お芝居だけじゃない波動を感じさせるから、たくさんの人に支持されるんじゃないかな」と多彩な魅力を絶賛していた。

また、今作には16歳の新進女優・久保田紗友も出演。断絶していた父子の関係に大きな影響を与える女子高生役で「とても重要な役をいただきました。丁寧に役と向き合いながら演じたい」と意気込みを語った。