昨年2月に上演された『欲望という名の電車』で舞台初出演にして初主演を務めた沢尻エリカが、来年1月20日に開幕する舞台『ピグマリオン-PYGMALION-』で再び舞台に挑む。数々の名優が演じてきたイライザ役を務める沢尻にインタビューし、舞台への意気込みや今の仕事に対する思い、人生の転機などを聞いた。

  • 沢尻エリカ

    沢尻エリカ 撮影:大野代樹

同舞台は、ノーベル賞作家ジョージ・バーナード・ショーが1912年に執筆した傑作喜劇で、1913年にウィーンで初演されて以来、今も世界中で上演され続け、映画化されたこともある名作。ロンドンの花売娘イライザが、音声学者ヒギンス教授と出会い、厳しい訓練を経て上流階級の公爵夫人へと生まれ変わっていく姿を描く。

イライザ役を演じる沢尻は「原作自体は知らなかったですが、遠い昔に映画を見たことがあって、すごく華やかな世界観だったのを覚えているので、楽しみだなと思いました」とオファーを受けたときの心境を説明。

「イライザのどんくさい人間味が出ればいいなと思いますし、変化がわかりやすく伝わればと思っています」と意気込み、「自分を貫いて生きているところはすごく共感できます」と語る。

昨年2月、舞台初出演にして初主演を務めた『欲望という名の電車』では、観客の生の反応を受けて舞台のやりがいを感じたという。

「お客さまのリアクションをダイレクトに感じられるというのが初めての経験で、楽しんだり、喜んだり、感動したりしている表情だったり、そういった声をかけてもらったのがすごくうれしくて。それが何物にも代えがたいもので、得るものがとてもあったので、舞台はずっと続けていきたいなと思っています」

膨大なセリフ量、そして映像作品のようにやり直すことができないプレッシャーなど、舞台ならではの大変さがあるが、沢尻は「『欲望という名の電車』に比べたら今回は楽しめる余裕がありますね」と話す。

「『欲望』のセリフ量が当たり前だと思っていたら、そうではなく特殊だったんだなと。あれを乗り越えられたからこそ自信がついたというのは絶対にあります。初舞台が『欲望』でよかったです。今回はより楽しみながらできそうで、舞台を作っていく喜びもさらに味わえたらと思っています」

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「演じていない領域までいけた瞬間は本当に幸せです」

イライザは自らの意志で人生を選択して生まれ変わっていく。沢尻自身の人生の転機を尋ねると、「やはり初舞台ができたというのは大きなことだったと思います」と答えた。

「もともと舞台に興味はありましたが、なかなか踏み込むことのできなかった領域で、自分の人生の中でもいろいろ転機があった中で初舞台ができたのはよかったです」

初舞台で演じる楽しさも改めて感じることができたという。

「もちろん不安や恐怖心もありましたが、それを乗り越えた先にあるものというのは、本当に代えがたいもので、千秋楽はご褒美みたいな感じでした」

役者業において特に幸せを感じる瞬間を尋ねると、「いろいろありますが、演じていない領域までいけた瞬間は本当に幸せです」と目を輝かせる。

「手放しでそこにいられるみたいな、芝居をしていない感覚で、だんだんとそうなれたときに、このフィールドにこられたとすごく感じます。イライザ役も、舞台初日に向けて稽古をして、公演を重ねていく中でさらに完成されていく部分があると思うので、それがすごく楽しみです」

演じる楽しさを改めて感じた今、「いろいろな役を演じたい」とやる気に満ちあふれている。

「舞台でも映像でもさまざまな役を演じられたら。何かこれという風に可能性を狭めず、いろいろなことに挑戦していきたいと思っています」