例えば、酸素透過率が最高級の製品を使用しても、自分にとって汚れやすいタイプの素材を用いていたら、アレルギー性結膜炎のリスクを高めてしまうことになる。場合によっては、製品の価格帯ランクを1つ下げたり、異なる素材を使用したりすることが自分にとっての"正解"となる可能性がある。

この場合、酸素透過率を気にする人もいるかもしれないが、最近の製品はどれも透過率に優れ、そこまで大きな差はないと言える。むしろそれよりも、「自分にとって汚れやすい素材か」「管理しやすいか」などを考慮した方がよいだろう。

レンズケースにも注意

では、アレルギーの根源となる汚れ対策にはどのようなものがあるだろうか。味木医師は「生理食塩水の点眼」と「コンタクトレンズケースのメンテナンス」が大切だと教えてくれた。

「生理食塩水の点眼は、レンズを取り出して洗うぐらいの効果が見込めます。一日数回点眼するだけで違いますし、医者処方の抗アレルギー薬入りのものを用いると、汚れ予防にもなります。また、レンズケースが汚ければ、レンズをきれいにしても意味がないです。3カ月に1度買い替えたり、2つ持参して使用しない方を洗浄したりするなどの工夫をしましょう」。

そして、何よりの汚れ対策は「長時間の使用を減らすこと」だ。毎日替えるワンデータイプならまだしも、2週間や1カ月といったタイプでは、レンズに汚れがたまっていく可能性も高まる。めがねの使用時間を増やし、本当に必要なときにコンタクトを装用するといった使い分けも大切だと覚えておこう。

なんでも医師に相談できる関係を

アレルギー性結膜炎の初期症状は、ちょっとした目のかゆみや充血のため、異変に気付いても「一時的なもので、医者に診てもらうまでもないだろう」とそのまま放置してしまう可能性もある。

そんなときにちゅうちょなく体の不安を相談できる医師がいれば、その後の疾病リスクもだいぶ変わってくる。日ごろから、かかりつけの医師としっかりコミュニケーションを取れるような関係を築いておくとよいだろう。

※写真と本文は関係ありません

記事監修: 味木幸(あまき さち)

あまきクリニック院長、慶緑会理事長。広島ノートルダム清心高校在学中に米国へ1年の留学。米国高校卒業後に母校に戻り、母校も卒業。現役で慶應義塾大学医学部入学。同大学卒業後、同大学眼科学教室医局入局。2年間の同大学病院研修の後、国家公務員共済組合連合会 立川病院、亀田総合病院、川崎市立川崎病院・眼科勤務。博士(医学)・眼科専門医取得。医師として痩身や美肌作り、メイクアップまでを医療としてアプローチする。著書も多数あり。