毎月の貯金額を増やすには?

1回目で教育資金の目標額を定め、2回目で「先取り貯金」の仕方をご紹介したこの企画。お金を貯める仕組みは理解できたけれど、収入が少なかったり、一時出費がかさんで「そんなに貯金ができるかな? 」と不安になったりした人もいるのではないでしょうか。

私自身も、娘が3歳の時に離婚をして収入が激減した時期に不安な気持ちで教育資金を貯めていました。そこで今回は、そんな経験も踏まえて、毎月の貯金額を増やす方法についてお伝えします。

さらに貯金を増やす方法はずばりこの3つ!

私が実践した方法は、「収入を増やす」「支出を減らす」「投資をする」の3つです。この方法で、育児休業や短時間勤務などによって収入が減った時期にも関わらず、3年で1,000万円以上貯金を増やしたママもいます。私自身について話せば、離婚時子どもはまだ3歳。実家が遠方だったこともあり、仕事を増やすことはできず、まずは「支出を減らせないか」と考えました。

子どもがうまれてから家計簿を一生懸命つけていましたが、効果がなく断念。ぜいたくもしていないので、食費を削るしかないとレシートとカード明細の山を見ていたことを思い出します。しかし、食費以外にも削れるところはあったのです。

支出を上手にダイエットすればリバウンドなし

家計簿をつけずに上手に支出のダイエットをする方法をご紹介します。具体的には……

・携帯電話はSIMカード利用にし、固定電話も見直す
・保険は公的制度を知ることで必要なものを見極め、加入し直す。さらには掛け捨てではなく貯蓄タイプを選ぶ。
・調理法を工夫してガス代を減らす
・子育て支援のある賃貸物件を見つける。もしくは住宅ローンを見直す。
・子どもの衣類などを先輩ママから譲ってもらったり、借りたりする

などです。他にもいろいろありますが、毎月かかるものは、ひとつずつ確認していき改善しましょう。その他固定費以外の日々の買い物は、保存しておいたレシートを見て半年ごとに振り返りお金の使い方のパターンを改善していきます。月単位でみると少額で見過ごしがちな項目も、半年単位で見ると大きな金額となり、無駄も見つけやすくなります。

「支出を減らす」「収入を増やす」「貯金を運用する」の3つがそろえば貯金ができる

収入は増やせる

サラリーマン家庭の場合、何かと収入を増やすことは難しいように思いますが、収入を増やすポイントは

1.収入の入り口を増やす
2.節税をする

の2つです。既にパパが働いている場合、なかなかパパの収入を増やすことは難しいのが日本の現状だと思います。ですから、入り口を増やす方法として、もしママが働いていなければ、ママが働く。パパも副業をする方法があります。子育て中でもできる仕事はありますし、空いている時間やインターネットを使っての在宅ワークなどもあります。月10万円増えれば、3年で360万円です。ママが働くことは家計に大きなプラスを生みます。

もうひとつは、節税です。節税をすることで手取り収入が増えます。ふるさと納税や確定申告の仕組みを知り、条件が合えば親を扶養に入れたり確定拠出年金などを実践したりして、節税していきます。

税金も毎年のことなので1回仕組みを作れば後は楽なのがいいですね。 さて、「収入を増やす」「支出を減らす」を実践すれば家計は大きく変わっていきますし、貯金は増えていきます。その上で、さらにお金に働いてもらう「運用」もご紹介します。

お金の運用で気をつけること

日本の銀行はみなさんご存じのように金利が低いです。なので、日本の銀行にお金を預けてもお金は増えません。ですから私は海外に目を向け、金利や金融商品について勉強しました。 私が投資を始めた後にリーマンショックで世界経済の暴落を目の当たりにしましたが、それでも運用成績はプラスになっています。

・海外は日本より金利が高いことに注目する
・日本株だけでなく海外にも目を向ける
・リスクを小さくする方法を実践する

この3点が結果的にはよかったと思いますし、子育て中のママも実践して貯金を増やしています。ただ、投資には増える可能性もあれば、減る可能性もあります。勉強もせずに「窓口で言われるがまま購入」はしないようにしましょう。

大きな視点で貯金を増やす

最後に貯金を増やす方法をまとめると「収入を増やす」「支出を減らす」「運用する」の3つになりますが、この3つを同時にすることで貯金は増えていきます。 逆にひとつだけ実践しても貯金は増えにくいです。

例えば、収入を大きく増やしても、支出が増えると貯金は増えませんし、投資で利益が出ても、「不労収入」だけに頼ろうとして仕事を辞めてしまうと、収入は不安定になるからです。 逆に言えば、できているところはそのままで、できていないところを強化すれば貯金体質になっていきます。

また、3年で貯金は少し難しいかもしれないと思う場合も、児童手当だけは必ず貯金しましょう。児童手当を中学卒業まで貯金すると約200万円になり、高校にかかる教育費の大きな足しになります。問題は大学進学にかかる費用ですが、あまりにも想定外の教育費がかかったら、給付型の奨学金を狙っていきましょう。

教育費は青天井になりやすいところがあります。 まず、目標を決め、夫婦で目標を共有することが大切です。子育て中のママ・パパは日々忙しいです。 「貯まるといいな」「そのうちしよう」ではなかなか貯金できませんし、子どもも成長してしまいます。今まで貯金ができていない方は、今日から実践することを心がけてください。 それが、3年後、6年後、9年後の結果につながっていきます。諦めないでくださいね。


著者プロフィール

マイライフエフピー代表 加藤葉子
子育て真っ最中のファイナンシャルプランナー。子どもを授かったことをきっかけに、教育費や学資保険の仕組みなどに興味を持ち、ファイナンシャルプランナーの勉強を始め、3年で子どもの教育資金を貯める。現在は、全国の女性からの教育費・老後資金・起業・離婚・投資なのお金の相談を中心に執筆・マネー講師として活動しながら、シングルマザーの支援にも力を入れている。自身のホームページ「女性とシングルマザーのお金の専門家」でもお金にまつわるお役立ち情報を提供している。