いよいよ3月26日に開業を迎える北海道新幹線。札幌延伸まで当分の間は終着駅となる新函館北斗駅と、新幹線利用者の多くが降り立つであろう函館駅には、新幹線開業に向けて作られた新作駅弁がそろう。種類豊富な両駅の駅弁の中から、今回は特に見逃せない駅弁たちを紹介しよう。
記念に持ち帰りたい「北斗七星」(函館駅)
昭和11年(1936)に創業し、これまで数多くの駅弁を世に送り出してきた「函館みかど」。中でも、甘辛く煮付けたみがきニシンと数の子をご飯にのせた「鰊みがき弁当」(880円)は、古き良き時代を思い出させる超ロングセラーとして今も愛され続けている。
そんな同店が新幹線開業に向けて1月に発売した新作が、H5系車両を忠実に再現した容器に入った「北斗七星」(1,300円)。青函トンネルを模した筒状の掛け紙で、本州と北海道が新幹線でつながるイメージを表現している。
お米をはじめ、7つのメイン食材は全て北海道産。一見すると海鮮丼のようだが、ホタテは燻製に、鮭はタタキに、イカは旨み焼きにするなど、どの食材もひと手間かけて調理しているところがミソ。開業祝いにふさわしく、酢めしでちらし寿司風に仕上げた。乗車券風のお品書きも楽しい。
北海道産食材の黄金コンビ「鮑雲丹めし」(函館駅)
続いて紹介するのは、北海道産食材の中でも群を抜いて人気のあるアワビとウニをぜいたくに使用した「鮑雲丹めし」(2,000円)。新幹線に乗って函館を訪れた人に北海道らしさを満喫してもらおうと開発された駅弁は、味はもちろん、豪華さでも魅力的である。
北海道礼文島産のムラサキウニを使った炊き込みご飯に、エゾアワビの酒蒸し丸ごと1個とスライスをのせ、アクセントとして生の岩海苔で作った「磯風味あん」をかけている。さらに、北海道産イクラ醤油漬けと、礼文島産エゾバフンウニを添え、見た目にも豪華に仕上げた。北海道新幹線開業当日の3月26日より販売を開始する。
ウニ満載!「大玉ほたてと大漁ウニ弁当」(新函館北斗駅)
新函館北斗駅には、青森県八戸市で弁当の製造販売を手がける「吉田屋」の運営する新業態店「弁当カフェ41ガーデン」がオープンする。ここでももちろん、北海道らしさを前面に押し出した駅弁を販売する。
中でもイチオシは、折に詰めたご飯に秘伝のたれで味付けしたウニをこれでもかというほどに盛り付け、中央に特大サイズの北海道産ホタテを存在感たっぷりに配した「大玉ほたてと大漁ウニ弁当」(1,780円)だ。イクラも添えてあり、北海道らしさ満点である。
京王百貨店で1月に開催された日本最大級の駅弁販売会「第51回元祖有名駅弁と全国うまいもの大会」でも大いに注目を集め、この駅弁のために連日行列ができたという。
公式キャラになった食材も、「海の七つ星弁当」(新函館北斗駅)
最後に紹介するのは、あたかも戦国武将の兜の前立てのようにカニの爪が存在感を発揮する「海のななつ星弁当」(1,780円)。手前にはイクラがぎっしりと敷き詰められ、奥側にはカニフレークとウニが。要の位置には大玉ホタテが鎮座し、両脇をサーモンとホッキ貝が固める。
北海道では寿司ネタとして昔から親しまれてきた大型の2枚貝「ホッキ貝」は、新函館北斗駅のある北斗市の特産品。資源保護のため、長い爪のついた棒を小舟の上から砂地に突き刺して1個ずつ地道に採取する漁法が採られており、市の公式キャラクター「ずーしーほっきー」のモチーフともなっている食材だ。
新函館北斗駅には、「ずーしーほっきー」のシルエットのシールが7つ隠されているとのこと。ずーしーほっきーに思いをはせながら、柔らかくて旨みたっぷりなホッキ貝の風味を味わってほしい。
函館駅と新函館北斗駅には、このほかにも多数の駅弁が用意されているが、今回は特に北海道らしさ・函館らしさを感じられる駅弁として4つを紹介した。北海道・函館の旅では数多くの「うまいもの」に出会うはずだが、行き帰りの際には駅弁で北海道の食を堪能することも忘れずに楽しみたい。
資料提供: 北斗市観光協会
※記事中の情報・価格は2016年3月取材時のもの。価格は税込