SNSを賑わすドラマが今クールも目立つ。いよいよきょう15日に最終回を迎える『ダメ恋』は、キャストのディーン・フジオカが自身のインスタグラムに自主制作ムービーをアップすると、6万件を超える"いいね!"を記録、Twitterのトレンドワード入りの常連だ。一方、月9『いつ恋』は、若者を中心にセリフのツイートやシーンを再現した動画投稿が相次ぐ。ドラマ終盤のSNS上の盛り上がりはどれだけ熱いのか、昨年に引き続き探ってみた――。
『ダメ恋』ディーンの自主制作ムービーに6万近くの"いいね!"
『ダメ恋』こと深田恭子主演の『ダメな私に恋してください』(TBS系、毎週火曜22:00~22:54)は、放送開始当初から「胸キュン度が高い」などと言われ、公式ツイッターのフォロワー数は7万強、公式インスタグラムもフォロワー数11万強という人気ぶり。毎回、深田の"かわいさ"とディーン・フジオカ演じる"ドS上司"に反応したものが、SNS上を賑わせている。
最終回前の第9話の放送では、Twitterで「#ダメ恋」のハッシュタグをつけたつぶやきが、4,168件にも上った(Yahoo!リアルタイム検索で、放送前後30分を含む3月8日21:30~23:30の時間帯を集計)。ここにきて切なさ募るストーリー展開に反応し、ツイート数も伸びたようだ。
そんな『ダメ恋』ファンを楽しませているものと言えば、ディーン・フジオカが自身のインスタグラムにアップする自主制作ムービーもある。深田をはじめ、タマ役の石黒英雄、ポチ役のクロちゃんら、キャスト陣も全面協力するドラマの告知動画が、終盤から毎週公開。楽屋裏で撮影されたストーリー仕立て版も人気だが、「まいしゅ~か~よう、夜10時~! ダメ恋、ダメ恋、TBS!」と、楽しそうに歌って踊るバージョンには、約6万件の"いいね!"が押され、「楽しい!!」「深キョンサイコー」など、約2,000件の好意的なコメントがずらりと並んでいる(3月15日現在)。
昨年10月クールの『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』(関西テレビ・フジテレビ系)では、主演の松坂桃李をはじめ、同ドラマで悪女ぶりが話題になった菜々緒ら、キャスト陣自らツイッター上でドラマに関するコメントを発信し続けた結果、放送時間前後でSNS上が大いに盛り上がり、最終回で最高潮に達した。今夜の『ダメ恋』の反響にも注目だ。
『いつ恋』修羅場の"芋煮会"パロディ再現相次ぐ
ラブコメの『ダメ恋』に対して、純愛100%の『いつ恋』こと有村架純・高良健吾ダブル主演『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系、毎週月曜21:00~21:54)も、SNS上の反響が高い。こちらの公式ツイッターのフォロワー数は24万を超え、14日放送の最終回前の第9話の放送で、Twitterの「#いつ恋」ハッシュタグをつけたつぶやきは4,551件を記録した(Yahoo!リアルタイム検索で、放送前後30分を含む3月14日20:30~22:30の時間帯を集計)。
フジテレビによると「放送真っ最中からSNSなどに視聴者が心をわしづかみにされたセリフをアップしたり、ドラマの影響を受け自ら演じ、撮影した名シーンをアップしたり、という大きな盛り上がりを見せている」という。
実際にドラマの中のセリフに注目したツイートは多く、非公式アカウントで「名言集」まで作られているほど。学生を中心とした再現動画投稿も『いつ恋』ならではだ。その中でも、有村架純、高良健吾、高畑充希、西島隆弘、森川葵、坂口健太郎の主要キャスト6人全員が初めてそろった第5話の"芋煮会"で修羅場と化したシーンを再現したものがダントツ人気で、パロディ化したものなどが投稿されている。
ドラマのシーンを再現して動画をアップするというのは、同じ月9『恋仲』(昨年7月クール)でも見られた現象である。当時"恋仲現象"と呼ばれた行為と同様に、ドラマで身近に感じたシーンや印象に残ったセリフに対するリアクションを撮影・投稿し、「ドラマの視聴を思い出としてシェア」することが学生の間で広がっているようだ。
SNSで盛り上がるも視聴率は…?
一方で、こうしたSNS上での盛り上がりは、なかなか視聴率に直結しないのが現状だ。『ダメ恋』も『いつ恋』も、これまでの平均視聴率は10%を切る。『ダメ恋』は終盤に入り、二桁台に乗るようになり視聴率を上昇させているが、9話までの視聴率平均は9.4%。また『いつ恋』は初回こそ視聴率11.6%をマークしたが、伸び悩みが続いており、9話までの平均は9.6%となっている(視聴率はビデオリサーチ調査・関東地区)。
ディーンの『ダメ恋』ムービーには毎回「オンタイムで見ろよ」というメッセージも投げかけられている。リアルタイム視聴を少しでも増やしたいという思いからだろう。最終回にかけたもうひと盛り上がりは、こうしたキャスト陣自らSNS上で発信する試みが引き金になるかもしれない。
番組ファンの囲い込みや広げるきっかけはSNS上に確実にシフトしつつあり、ドラマとSNSの親和性の効果が期待される。