4月から始まる電力自由化に伴い、電力会社を選べる時代になりました。前回は乗り換えで注意するべき5つのポイントを紹介しましたが、このレポートでは、実際にどうやってプランを選ぶべきかをお教えします。

選ぶなら当然お得な電力会社に決めたいものですが、キャンペーンばかりに気を取られ、本来安くしたいはずの電気料金が割高になってしまっては意味がありません。また、月の電力使用量によっても変わりますから、焦らずによく考えて結論を出しましょう。

300kWh が分岐点になる理由

ほとんどのプランの場合、「300kWh」が損得の分かれ目になります。

東京電力の場合は、300kWh/月以上使うと、新旧プランの料金が同じくらいになるとしています。ただし、この旧料金プランはいつまでも続くものではなく、2020年以降に廃止される可能性があります。

だからといって、300kWh 未満の人は切り替えてもお得にならないかと言えばそうではありません。例えば、旅行代理店のH.I.Sが販売する電気料金は既存電力会社の5%引きとなり、月の使用量が少ない人にも安くなるプランと言えるでしょう。

同様に東燃ゼネラルが販売する「myでんき」は、既存の電力会社よりも基本料金や、1kWhあたりの単価が低く設定されています。

抱き合わせも上手に使えばお得になる

通信、石油、ガス、ケーブルテレビなど生活スタイルにあわせて選ぶことでお得になるプランもあります。

例えば、東京ガスの都市ガスと電気を利用している家庭であれば、ガス・電気セット割で、基本料金270円/月が割り引きされます。電気料金は、電力使用量が多い世帯ほどお得になる料金設定です。

他にも、JXエネルギーの「ENEOSでんき」は、車を持ってる、ENEOSで給油をしている、ENEOSカードを持っているという条件を満たせば、電気料金だけではなく、ポイントが貯まり、ガソリン代も割り引き価格になります。

セット割りを上手に使うためには、家計に占める割合の多いものから抱き合わせで安くなるかどうかのシミュレーションをかけてみるとよいでしょう。当然ですが、契約内容は電気料金だけではなく、手数料、違約金、他オプションといった細かい部分にもチェックをいれましょう。

様々なプランが登場している電力自由化ですが、電気料金が安くなったからと言ってムダ遣いをしてもいいという理由にはなりません。電力自由化をきっかけに、節電意識も高めると更にお得になるでしょう。

執筆者プロフィール : 丸山晴美(まるやま はるみ)

外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している。