厚生労働省は2月23日、2015年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の結果を発表した。それによると、対象の5,031事業所のうち73.9%に当たる3,718事業場で労働基準関係法令違反が確認された。
約半数の事業所で違法な時間外労働
今回の重点監督は、若者の「使い捨て」が疑われる事業場など、労働基準関係法令の違反が疑われる事業場に対して集中的に実施したもの。
主な違反内容をみると、2,311事業場(構成比45.9%)で違法な時間外労働を確認。この中で、時間外労働の実績が最も長い労働者の時間数が「月100時間を超えるもの」は799事業所(同34.6%)で、うち「月150時間を超えるもの」は153事業所(同6.6%)、「月200時間を超えるもの」は38事業所(同1.6%)となった。
「賃金不払残業があった」は509事業場(同10.1%)、 「過重労働による健康障害防止措置が未実施」は675事業所(13.4%)となった。
主な事例として、あるコンビニエンスストアでは、最長月200時間以上の違法な時間外労働を強要し、正社員に全く割増賃金を支払っていなかった。また、アルバイトについては、毎月一律に10時間差し引いた時間を労働時間として取り扱い、割増賃金を適正に支払っていなかったという。
同省は「法律違反の疑いがあるような事業所を対象に監督指導を行ったため、違反比率が高くなった」と説明。「法律違反が認められている事案に対しては、引き続きしっかりと対応していく」と話している。