『第58回グラミー賞授賞式』が日本時間の16日(現地時間15日)、米・ロサンゼルスのステープルズ・センターで行われ、ラッパーのケンドリック・ラマーが最多5冠、歌手のテイラー・スウィフトが3冠を達成した。

ケンドリック・ラマー

授賞式で、社会的メッセージ性の強い「The Blacker The Berry」、「Alright」をパフォーマンスし、会場を圧倒したケンドリック。今年最多の11ノミネート中、最優秀ラップ・アルバム賞をはじめとする5つを獲得したが、惜しくも主要4部門の受賞は逃した。

一方、テイラーは、主要4部門のうち年間最優秀アルバム賞を獲得。2010年にも同賞に輝いたテイラーは、2度の受賞という女性初の快挙に、「この10年間、支えてくれたファンに感謝します。成功を夢見る人や名声を得たい人は、今やっていることに集中すれば、自然とあなたを押し上げてくれます」と大興奮でメッセージを送った。

また、主要4部門のうちの一つ、年間最優秀レコード賞は、マーク・ロンソンft.ブルーノ・マーズの「Uptown Funk」が受賞。ファンクの発展に貢献したジェームス・ブラウンら歴代アーティストに感謝したマークに続き、ブルーノは、「本当にありがとう!この賞はファンに捧げたい。一緒に踊ってくれた人がいなければ、ここにはいない。みんなで獲った賞です」と喜びを語った。

なお、日本人では、指揮者の小澤征爾によるアルバム『ラヴェル:歌劇「こどもと魔法」』が、最優秀オペラ・レコーディング賞を受賞。8度目のグラミー賞ノミネートで悲願達成となった。また、最優秀劇場ミュージカル・アルバム賞に俳優の渡辺謙が出演したミュージカル「王様と私」、最優秀ミュージック・ビデオ賞にShin Nishigakiがプロデューサーを務めたエイサップ・ロッキーの「LSD」がノミネートされたが、受賞はならなかった。

今年で58回目となる『グラミー賞』は、ポップスやロックなど全83部門で争う米国の音楽賞。レディー・ガガやテイラー・スウィフト、アデル、ケンドリック・ラマー、ジャスティン・ビーバーら豪華アーティストがライブ競演した授賞式の模様は、16日(22:00~)、3月20日(19:30~)、WOWOWライブで放送する(両日とも字幕版)。

『第58回グラミー賞授賞式』受賞者一覧

主要4部門

  • 年間最優秀レコード賞:マーク・ロンソンft.ブルーノ・マーズ「Uptown Funk」
  • 年間最優秀アルバム賞:テイラー・スウィフト『1989』
  • 年間最優秀楽曲賞:エド・シーラン「Thinking Out Loud」
  • 最優秀賞新人賞:メーガン・トレイナー

その他部門

  • 最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス:エド・シーラン「Thinking Out Loud」
  • 最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス:マーク・ロンソンft.ブルーノ・マーズ「Uptown Funk」
  • 最優秀トラディッショナル・ポップ・ヴォーカル・アルバム:トニー・ベネット&ビル・チャーラップ「The Silver Lining:The Songs Of Jerome Kern」
  • 最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム:テイラー・スウィフト『1989』

  • 最優秀ロック・パフォーマンス:アラバマ・シェイクス「Don't Wanna Fight」

  • 最優秀メタル・パフォーマンス:ゴースト「Cirice」
  • 最優秀ロック楽曲:アラバマ・シェイクス「Don't Wanna Fight」
  • 最優秀ロック・アルバム:ミューズ『Drones』
  • 最優秀オルタナティブ・ミュージック・アルバム:アラバマ・シェイクス『Sound&Color』

  • 最優秀R&Bパフォーマンス:ザ・ウィークエンド「Earned It (Fifty Shades Of Grey)」

  • 最優秀トラディッショナル・R&Bパフォーマンス:レイラ・ハサウェイ「Little Ghetto Boy」
  • 最優秀R&B楽曲:ディアンジェロ&ケンドラ・フォスター「Really Love」
  • 最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム:ザ・ウィークエンド『Beauty Behind The Madness』
  • 最優秀R&Bアルバム:ディアンジェロ&ザ・ヴァンガード『Black Messiah』

  • 最優秀ラップ・パフォーマンス:ケンドリック・ラマー「Alright」

  • 最優秀ラップ・歌唱コラボレーション:ケンドリック・ラマーfeat.ビラル&アンナ・ワイズ&サンダーキャット「These Walls」
  • 最優秀ラップ楽曲:ケンドリック・ラマー「Alright」
  • 最優秀ラップ・アルバム:ケンドリック・ラマー『To Pimp A Butterfly』

  • 最優秀カントリー・ソロ・パフォーマンス:クリス・ステープルトン「Traveller」

  • 最優秀カントリー・デュオ・グループ・パフォーマンス:リトル・ビッグ・タウン「Girl Crush」
  • 最優秀カントリー楽曲:リトル・ビッグ・タウン「Girl Crush」
  • 最優秀カントリー・アルバム:クリス・ステープルトン『Traveller』

  • 最優秀ダンス・レコーディング:スクリレックス&ディプロwithジャスティン・ビーバー「Where Are U Now」

  • 最優秀ダンス・エレクトロニック・アルバム:スクリレックス&ディプロ「Skrillex And Diplo Present Jack U」
  • 最優秀コンテポラリー・インストゥルメンタル・アルバム:スナーキー・パピー&メトロポール・オーケストラ『Sylva』

  • 最優秀劇場ミュージカル・アルバム:『ハミルトン』

  • 最優秀オペラ・レコーディング:小澤征爾『ラヴェル:歌劇「こどもと魔法」』
  • 最優秀ミュージック・ビデオ:テイラー・スウィフトfeat.ケンドリック・ラマー「Bad Blood」

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