東武鉄道はこのほど、2017年度に予定している鬼怒川線での蒸気機関車運転に向けたSL検修員と乗務員(機関士・機関助士)の養成を開始したと発表した。SLを保有・運転するJR北海道・秩父鉄道・大井川鐵道の3社に社員を派遣し、各社で教育訓練を積ませるという。

乗務員養成イメージ(大井川鐵道提供)

東武鉄道は昨年8月、JR北海道所有の蒸気機関車C11形207号機を借り受け、2017年度をめどに蒸気機関車の運転をめざすと発表。約50年ぶりのSL復活となるため、同社にはSLの運行に必要な技術・技能や免許を持った社員がおらず、その教育方法が課題となっていた。

そこで、SL運行に関する知識と経験を持つ鉄道会社に社員養成に関する協力を依頼。鉄道産業文化遺産の復元・保存、栃木・福島エリアの支援活性化の主旨に賛同したJR北海道・秩父鉄道・大井川鐵道の3社が快諾し、1月から東武鉄道社員の受入れを開始したという。

このうちJR北海道は10名を受け入れ、SLの各種検査や整備作業などを担当する検修員、ボイラーの取扱いを担当する機関助士の養成を行う。秩父鉄道と大井川鐵道はそれぞれ2名を受け入れ、機関士の養成を行うとのこと。