「日本在住」になったきっかけは?

2015年の訪日外国人が1,900万人を突破し(12月19日現在)、過去最高水準で増加傾向にあるが、もちろん日本には"旅人"ではなく"住人"の外国人もいる。彼らはどんなきっかけで日本に訪れ、日本に住もうと思ったのか。母国との違いも含めて、日本の住み心地を日本在住の外国人20人に聞いてみた。

日本の文化が好きだから

・「ビジュアル系バンドや将棋、テレビゲームが好きなので、日本に暮らしたいと思っていた。また、日本では好きな仕事もできる」(ギリシャ/33歳/男性)

・「子供の頃は『ハイスクール! 奇面組』や『キャプテン翼』など、日本アニメの大大大ファンだったから、大人になったら『絶対に行くぞー! 』と自分に誓った。15年近く住んでたらやはり現実は違うと思うこともあるが、日本人が好きから残る」(フランス/35歳/男性)

・「日本に来たのは8年前で、アニメが好きだったから(今は違う)。日本にずっと住みたい。日本はロシアと比べて清潔で、丁寧で、法律も守られている。日本人は時間に遅れない、他の人の迷惑になりたくない、社会に貢献したい気持ちが強い。ロシアはそうではないように思う。東京は世界で一番安全な大都会。食事もロシアのと比べておいしい。ものは何もかも売られている。私もこういう日本の社会に貢献したい」(ロシア/31歳/女性)

・「日本の文化と言語に興味があって、日本の生活を経験してみたかった。イギリスに比べて日本のサービス文化はもっといいし、安全で、道がきれいで、住みやすい国だと思う」(イギリス/31歳/女性)

留学から在住へ

・「日本に留学をしてて、気づいたらもう日本の生活に慣れていた。マレーシアと比べて、日本の方が便利。例えば、車がなくてもどこにでも行ける」(マレーシア/31歳/女性)

・「日本に住むことになったのは留学がきっかけ。日本に住んでイランよりいいと思ったのは、安全性と便利さ」(イラン/28歳/女性)

・「留学がきっかけ。韓国との違いはいろいろと多いので全部書けないが、長短両方ある」(韓国/34歳/男性)

・「勉強のために来日した。日本に住んでいて良かったと思うことは、安全さやコンビニがあること、正確さが高い、公共の交通輸送機関が便利なこと」(ウクライナ/25歳/男性)

・「留学がしたくて、日本語ができたから日本にした」(ベトナム/36歳/男性)

・「留学で来日した。日本の好きなところでポーランドにはないのは居酒屋」(ポーランド/30歳/女性)

・「日本はガン研究が進んでいるから、日本に留学した。日本の優れた環境の中でガン研究ができて大変満足している」(シリア/35歳/男性)

家庭の事情で

・「結婚してから日本に住むようになった。日本に住んで良かったことは環境がいいことと静かなこと。香港との違いは靴を家の玄関で脱ぐこと」(香港/34歳/女性)

・「結婚したから。日本は四季がはっきりあり、春は花見、夏は花火、秋は紅葉、冬は雪、いろんなイベントや見所があって楽しい。台湾は雪が降らないし夏も花火大会なんてないからうらやましい」(台湾/30歳/女性)

・「日本人と結婚したことがきっかけ。もちろん嫌なことや慣れないこともたくさんあるが、最終的にいい国やいい人たちに巡り合えたなと何となく思えるようになった。やはり、日本人の優しさ、自然の美しさも理由だと思う」(モンゴル/39歳/女性)

・「家族の事情。日本で住んで良かったと思っているが、外国人として困っていることもある。ブルガリアと違って、日本の方が環境がきれい」(ブルガリア/33歳/女性)

仕事のために

・「仕事で来日し、そのまま在住。日本は治安が良く、人々が親切」(チェコ/58歳/男性)

・「仕事のために日本に来た。仕事を続けるために日本にいる」(フィリピン/35歳/女性)

住みやすい国だから

・「住む上で、日本は安全で日本人はマナー等がいい」(インドネシア/36歳/男性)

・「日本は住みやすく治安がいい国。ビジネス環境が整っていて人種差別がない国」(エジプト/27歳/男性)

・「日本では考えることが少なく、自分らしく生活できる」(中国/28歳/男性)

総評

もともと日本文化に興味があった人、仕事で日本に来た人、パートナーの事情で日本に来た人などと、外国人たちは様々なことがきっかけで日本に訪れている。「家で靴を脱ぐ」「四季がはっきりある」「公共の交通輸送機関が便利」など、母国とは違う文化・気候・環境ではあるものの、総じて日本での生活に住みやすさを感じているようだ。

母国でアニメなどの日本文化に触れて日本好きになったという人も多いようで、実際の生活では想像と違うと感じることもあるようだが、「日本人が好きから残る」というコメントがあるように、日本での生活の中で次第に親しみを感じる外国人もいる。「最終的にいい国やいい人たちに巡り合えた」「私もこういう日本の社会に貢献したい」などというコメントは、同じ日本人としてうれしくなる。

とは言え、海外に比べるとまだ日本における英語普及率は高くなく、初めて日本に訪れた外国人にとっては不便に感じることもあるだろう。困っている外国人がいれば、積極的に力になってあげるのも大切だ。

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