女優の高畑淳子が7日、東京・台場のホテルで行われたフジテレビ系新ドラマ『ナオミとカナコ』(14日スタート、毎週木曜22:00~22:54 ※初回は15分拡大)の制作発表会見に出席し、中国人女社長という役柄に「浮かないように気をつけています」と語った。
同作は、奥田英朗の同名小説が原作。百貨店の外商部で働くキャリアウーマンの主人公・小田直美を広末涼子が、その直美の同級生で、DVに悩む控えめな性格の主婦・服部加奈子を内田有紀が演じ、2人は加奈子のDV夫を排除するために、完全犯罪の殺害を計画する。
高畑が演じるのは、東京・池袋の中国食品輸入会社の中国人社長・李朱美で、直美が務める百貨店の販売会で、高級腕時計を盗み、問いつめられても平気で居直るという強烈なキャラクター。これをきっかけに直美の顧客となり、殺害計画は知らないものの、直美と加奈子の2人にシンパシーを感じていくことになる。ダイジェスト映像で、高畑が「殺しなさい!」とまくし立てるシーンが流れると、会場は笑いに包まれた。
高畑はこの役柄のため、昨年から中国語と格闘しているそうで、「歩きながら『殺しなさい』とブツブツ言ってるんで、ちょっと変な人になってるかもしれない」と心配。また、腕時計を盗むシーンを振り返り、「『泥棒したでしょ?』と聞かれても『あれはたタダだと思いました』って言うんですよね。私、これが中国と日本の外交が折り合わないところなんだなと思うんですよ」と、勢い余って政治問題にまで言及した。
また、ドラマの内容に関連して、この世からいなくなったらいいと思う人はいるかという質問に対しては、「うちには大型犬みたいな息子(高畑裕太)がいるんですけど、彼を見ていると大概のことは大変ではないですね」と寛大な心を強調。「人はそれぞれ価値観が違うと思い込ませています。…と言って私は2度も結婚失敗しているんですけど」とオチをつけた。
しかし、「大好きな母親から、この正月に『今日は何日やったかいな?』と3回も聞かれ、ご飯食べた後に『おなかすいた』と3回くらい言ったんですね」というエピソードを明かし、「ボケてる訳じゃないんですけど、そろそろお迎え来た方がいいんじゃないの?と思っちゃいましたね」と思わぬ毒舌。「これは本当に、言ってはいけないと思いますが、一瞬思ってしまったことは事実ですね」と畳みかけた。
このほか、会見には加奈子の義姉・服部陽子役を演じる吉田羊も出席。小さい頃から完璧に生きてきたという、まるで自身がENEOSのCMで演じるニュースキャスターのような頭脳明晰(めいせき)な役柄だが、「言ってる内容がきついところがあるので、言ってるうちに自分も本当にそういう風に思ってしまうことになっちゃうと、私が本来持っている意地の悪さが出てしまう…」と語り、そうした部分が出ないように注意して演じていることを語った。