日本に住んでいて「不安・不自由」なことは?

各国・地域にはその国・地域ならではの文化や風習がある。旅行のような短期滞在で「不安・不自由」と感じることと、住むという長期滞在において「やっぱり不安・不自由」と感じることでは、内容が異なるのかもしれない。そこで今回、日本に住む外国人20人に「日本に住んでいて不安・不自由に感じること」を聞いてみた。

日本語しか通じない

・「日本語以外、基本通じないこと」(マレーシア/36歳/女性)

・「私は日本語ができるのであまり感じないが、日本語があまりできない人にとってはかなり不自由だと思う」(イタリア/38歳/女性)

・「日本語の難しさ」(インドネシア/37歳/男性)

・「私は日本語ができるので全く不安や不自由はないけれど、他の外国人は言葉の問題によく苦しんでいる」(シリア/35歳/男性)

・「災害の時に情報が日本語しかないのは困る。せめて、英語ぐらいあってほしい」(ウクライナ/42歳/女性)

コミュニケーションが難しい

・「自分の意見をもっと自由に言え、相手の本当に思っていることを聞くことができたらいいと思う。自由にコミュニケーションができたらいいと思う」(フランス/30歳/男性)

・「トルコでは普通にスーパーなどへ行ったら知り合いになれるが、東京のコンビニではスタッフに話しかけられることもなく、マニュアルにそってるだけでつまらない」(トルコ/39歳/男性)

・「隣人に気を使わないといけないのは不自由に感じるけれど、当たり前のことだと思う」(中国/28歳/女性)

・「いつも周りを気にしながら行動やコミュニケーションをするので、ストレスがたまる時がある」(ベトナム/31歳/女性)

ジロジロ見られる

・「どこでも行ってもジロジロ見られる」(スペイン/32歳/女性)

・「目立つからよく周囲の人に見られること」(オランダ/44歳/女性)

・「よく人にジロジロと見られること。無駄に警戒されること」(イギリス/30歳/男性)

・「店に入ると、20人の客(日本人)の全員がこちらを見てくる」(フィンランド/27歳/男性)

自然災害で

・「津波、地震、火山の噴火」(タイ/30歳/女性)

・「地震」(ドイツ/39歳/男性)

そのほか

・「政治などにどんなカタチでも参加できないのは不自由に感じる」(アメリカ/26歳/男性)

・「外国人への採用意欲・採用差別に不安」(カナダ/31歳/男性)

・「通勤ラッシュ時間帯の痴漢。変質者はブラジルにもいるが、地域によって夜道などに出没する。日本の痴漢はどの時間帯でもどこにでもいる」(ブラジル/30歳/女性)

・「ない」(韓国/48歳/男性)

・「ない」(ミャンマー/32歳/女性)

総評

一番多かったのは言語の問題。一昔に比べれば英語教育も見直され、大都市圏や観光地、交通機関では英語表記や英語でのアナウンスも充実してきてはいるが、日本は他国・地域に比べると英語の水準はまだまだ高くないのが現状だ。日本語をマスターした外国人にとっても、例えば災害時などの緊急事態では不安を感じることもあるだろう。

次の多かったのはコミュニケーションの問題。本音と建前を使い分けたり、上下関係を重んじたりという日本ならではの風習は、特に日常生活や仕事の局面で感じるものだろう。それ以前に、例えば英語に不自由していて外国人と接するのに苦手意識をもっている人や、そもそも外国人と接する機会が多くないため外国人が気になってしまうという人にとっては、「外国人をジロジロ見る」という行動につながってしまっているのかもしれない。

また、日本での災害を不安視する外国人もいるようで、実際、東日本大震災では「TSUNAMI」という言葉が世界中に広がった。その一方で、痴漢を日本で不安なことと認識している外国人もいることは残念と言わざるをえない。外国人にとっても住みやすい環境づくりが必要そうだ。

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