「2015-2016 日本カー・オブ・ザ・イヤー」最終選考会・表彰式が7日、東京・国際交流館にて開催され、マツダ「ロードスター」がイヤーカー(大賞)に選ばれた。昨年の「デミオ」に続き、2年連続の受賞となった。

「2015-2016 日本カー・オブ・ザ・イヤー」のイヤーカー(大賞)に選ばれたマツダ「ロードスター」(東京モーターショーにて撮影)

日本カー・オブ・ザ・イヤーは、市販を前提に日本国内で発表される乗用車の中から、年間を通じて最も優秀なクルマを選定。36回目となる今回は、2014年10月1日から2015年10月31日までに発売された乗用車の中から、第1次選考を経て「10ベストカー」が選ばれ、60名の選考委員による第2次(最終)選考が行われた。

イヤーカーはマツダ「ロードスター」とホンダ「S660」による争いに。最終的に総得点442点のマツダ「ロードスター」が、総得点401点のホンダ「S660」をかわし、今回のイヤーカーに選ばれた。「明確なコンセプトを持ち、作り手の熱い情熱を感じさせるライトウェイトスポーツカーとして、出来栄えの素晴らしさは誰もが認めるところ。初代登場以来、26年にわたってドライビングの楽しさを追求し続け、真のクルマ文化を根付かせたいと努力してきたマツダの企業姿勢も高く評価した」とのことだった。

表彰式には昨年に続き、マツダ常務執行役員の藤原清志氏が登壇。「スペシャルサンクス」として亡くなった同期の名を挙げ、同時に藤原氏が涙ぐむ場面もあった。「リーマンショック、東日本大震災、超円高と、非常に苦しい時期を乗り越え、2012-2013の『CX-5』以降、4年間で3度も大賞をいただくことができました。これを誇りに、決しておごることなく、また1歩2歩と我々の志を形に変えていきたい」と語った。

あわせて藤原氏は、ここ数年で国産スポーツカーの導入が進んだことにも触れ、「トヨタ『86』・スバル『BRZ』がデビューした4年前、じつは『CX-5』が受賞できるとは思っていませんでした。あれから後、ダイハツ『コペン』が発表され、今年は『S660』『ロードスター』が出ました。日本の自動車業界にスポーツカーをつくれる時代が再びやって来て、この美しい国にふさわしいスポーツカー群になったと思います」と話していた。

BMW「2シリーズ」、スズキ「アルト」、トヨタ「MIRAI」も受賞

最終選考で最高得点を獲得した輸入車に贈られるインポート・カー・オブ・ザ・イヤーには、BMW「2シリーズ アクティブ ツアラー / グラン ツアラー」が選ばれた。「BMWブランド初となるFFベースのパワートレーンを採用した上で、高いレベルの"駆けぬける歓び"を実現したこと」が評価されたという。

イノベーション部門賞はテスラ「モデル S P85D」、スモールモビリティ部門賞はスズキ「アルト / アルト ターボ RS / アルト ラパン」が受賞。日本の輸入車市場の発展に貢献し、今年で創業100周年を迎えたヤナセと、世界で初めて一般販売を開始した燃料電池車、トヨタ「MIRAI」が実行委員会特別賞に選ばれている。