――今回、アドリブなどもけっこう入っているのですか?

安原「なるべく入れるようにしています。ディレクターが気づかないところでチョロチョロっと(笑)。そんなにうるさくないディレクターで良かったです」

――『ブレイキング・バッド』での演技と変えているところはありますか?

安原「基本は同じで、特に変えてはいないです。今後も、あえて新しいものを持ってくるのではなく、最終的にもうちょっと深いところに行ければいいなと思っています」

――安原さんはアニメ作品にも数多く出演なさっていますが、吹き替えとアニメのアフレコでは、どのような違いがありますか?

安原「吹き替えの場合は、相手も人間なので、もうすぐ息が切れるぞ、みたいなものがわかる。いくらアメリカ人でもそんなにブレスは長くないだろうって。でもアニメは生きてないですから、どこで次のセリフが来るのかわからない。ブレスももう滅茶苦茶なので、アニメのほうが疲れます。それなりに大きな声も出さないといけないですし。あまりぼそぼそやっていると怒られちゃう」

――安原さんとしては、どちらかというと吹き替えのほうがやりやすい感じなのでしょうか?

安原「好きなのは吹き替えですね。あまりこういうことを言うと、アニメの仕事が来なくなっちゃうから言えないですけど(笑)」

――今回のジミーは三枚目の役どころですが、安原さんは二枚目の役を演じることも多いですよね。二枚目と三枚目だとどちらが演じやすいですか?

安原「三枚目ですね。二枚目でもちょっと崩れた二枚目とか、悪い役とか。優等生はダメです。演じていても面白くない」

――ミッキー・ロークにしてもちょっと悪のほうですね

安原「ミッキー・ロークとか気持ちよさそうにやっているでしょ。周りの役者やスタッフは大変だったと思うんですけど(笑)。そういう役に声をあてていると、こちらも気持ちよくなっちゃう。だから、ゲイリー・オールドマンとか名優の声をあてていると、自分まで上手くなった気がして、すごく気持ちいい」

――自分自身が演技をしているイメージになるわけですね

安原「そこまで行っちゃった方が上手く行くような気がします。声をあてさせていただいているのではなく、一緒になって演じるという感覚です。私自身、関西の出身で、とぼけたことが好きなものですから、やはり三枚目のほうがあうと思っています。ずっとチャチャを入れまくっている役が理想なので、こういう役に巡り合うのを待っていました」

――まさに待望の役柄といった感じですね

安原「僕はこの役をライフワークにしようと思っているんですけど、あっという間に終わっちゃったらどうしようかなって(笑)」

――アメリカではシーズン2の放送も決まっているようですが、今後の展開として何か期待するものはありますか?

安原「『ブレイキング・バッド』に登場した人たちを、今後どのように登場させていくのかに興味があります。ウォルターの奥さん役の女優さんが好きで、また会いたいんですよ(笑)。キムも好きなんですけど、この作品は女優の選び方がうまいなって思いました。現場が楽しそうです」